今回は、高校卒業後IT人材の派遣会社に就職し、その後お笑い芸人として活動を行い、現在は株式会社UZUZでキャリアカウンセラーとして活躍されている森川剛さんにお話を伺いたいと思います。

前回 営業、芸人の経験を活かしキャリアカウンセラーへ 前編

木村
仕事を辞めようと決めて、2日後に辞める。すごいスピード感ですね。同じ部署の人が3人とかの小規模の会社だと、それなりに人間関係も近いと思うのですが止められたりしなかったのですか?
 
森川
エンジニアの派遣といっても、1年間しか働いていなかったので、正直に言えば雑務がほとんどでしたね。あとは社長も基本的に外出しているのであまり会う機会もなかったですね。

でも、辞めるときに退職届も出さずに口答で辞めますと言ったときは、さすがに怒られましたね(笑)。引き留めもかなりありましたね。

今振り返ると、前の会社で仕事のモチベーションを見つけられなかったというのは、本当に申し訳ないと思ってます。
 
木村
その後はどんな経緯でお笑い芸人になったんですか?
 
森川
お笑い芸人を一人でやるのは厳しいと考えていたので、知り合いを探していたら友達に大学生がいて、その友達と一緒にネタを作ってソニーミュージックに応募しました。

そこで、ネタみせをやって認められてすぐに所属しました。最初は吉本とかも考えたんですけど、吉本って養成所があるじゃないですか、あそこってお金がかかるんですよ。

さらに吉本と契約を結ぶには、養成所で上位の成績を収めないと契約ができないという、かなりシビアな世界なので、養成所のある事務所は辞めました。

ですが、友達の相方がオーディションのネタみせ3日前くらいに芸人を辞めると突然言いまして、なので、一人でオーディションに行きました。

でも、そこで一応実力というか、若干情けもあったのか分からないですか、仮所属という形で合格しました。
 
木村
すごいですね。応募の倍率とかって結構高かったんですか?
 
森川
芸人だと、そんなに高くなかったらしいですね。やはり、お笑いとかだと吉本とか、ナベプロとか、人力車とかが人気らしいです。でも事務所には200人近くいたと思いますよ。

オーディションも元々2人でネタをやる予定なのに、直前になって断られたのでネタみせはせず、ひたすらしゃべっていました(笑)。
 
木村
直前で断られて、それでも一人で行くのはすごいですね。あまり、芸人の方の働き方がイメージできないのですが、芸人としての仕事ってどんな感じなんですか?
 
森川
そうですね、ライブで多い時は月20本ぐらいありましたね。でも、ライブは自分たちがお金を払って開催するということがほとんどでしたね。新宿、池袋が中心で活動してました。
 
木村
月20本はすごいですね。ほぼ毎日ネタをやってる感じですか?
 
森川
そうですね、やっぱり売れていない芸人が最初に目指すところはM-1などの賞レースなので、毎日やっていました。でも、当たり前ですけどこれだけじゃ生活できないのでみんなバイトとかをするんですよね。

私は普通のバイトはしたくないと考えていて、前職で営業もやっていたので営業をやろうと思いました。業務内容はよくある光ファイバーの営業なんですけど、かなり楽しかったんですよね。

今思えば18歳でBtoBの営業できたのは、かなり貴重な体験だったと思います。ですが、BtoCも非常に面白かったんですよね。自分が契約を結んで、その場で売上が立つというのは非常にやりがいがありました。

前職の営業は売上の流れとかを全く分かっていなかったので、BtoCの営業は自分の成果が分かりやすかった分、かなり熱中しましたね。でも、お金が無かったので芸人の仕事より、営業の仕事ばかりを頑張ってしまったんですよね。

そしたら、全社で1位になったこともありました。そこでは1年半くらい仕事していて、現場責任者ぐらいまで上がっていきましたね。あと今より給料が良かったです(笑)。

でも、お金を持ったら芸人の活動を全然頑張らなくなり、飲み歩きばっかりしていましたね。そんな時になぜ、自分は東京に来たんだろうと考えなおすようになって、その時にもう一度芸人で頑張るというのを決めたんですよ。

そしたらその時に、光ファイバーの営業で無理やり売っていた部分がありまして、かなり大きなクレームを受けてしまったんですよ。

この機会だし、責任を感じたので辞めます、みたいな言い方をすれば辞められるかなと思って辞めることを伝えたんです。そしたら、役員の人から、お前は辞めさせないと言われて、今日からお前の給料は5万だと言われました。

その瞬間にこの会社はおかしいということに気づいたんですよね。今までは売上も上げていたのでちやほやされていたのですが、急に監視の目が厳しくなり、給料もまともに出さないってなったので、私はその会社から逃げました。

当時は家まで追いかけられましたが、しっかり手続き取って辞めることができました。
 
木村
ブラック企業だったんですかね(笑)。その後はどうされたんですか?
 
森川
今、思えばかなりブラックだったと思います。私は数字も上げていたので、そんなに待遇も悪くなかったですが、少し宗教じみた感じもありましたね。

辞めた後は、別に芸人で売れているわけではないので、次の仕事を探していたのですが、たまたま光ファイバーの営業会社で仲良かった先輩がUZUZで働いたんですよ。うちの事業にUZUZカレッジというのがあるんですけど、それが光ファイバーの営業研修でして、そこにバイトで講師として行きました。

3ヶ月くらいは普通にテレアポをしていましたね。優しい人も多く環境が良かったのでつらくはなかったです。ですが、その事業がなかなかうまくいかなくて、赤字が続いて、実はその事業すぐつぶしてしまうんですよ。

私はその時はまた、バイトが無くなったと思っていたのですが、UZUZの今の社長の岡本に辞める必要はない、ここでキャリアカウンセラーとして働いてみないか?と言ってもらいました。私は、まだ芸人を続けたいという気持ちもあるので、バイトとして働かせてくださいということで働きました。

 

森川剛さんインタビュー記事一覧

営業、芸人の経験を活かしキャリアカウンセラーへ 前編
営業、芸人の経験を活かしキャリアカウンセラーへ 中編
営業、芸人の経験を活かしキャリアカウンセラーへ 後編