「高校就職改革“実行”計画」を提言する

求められる実行計画

高校生の就職者は毎年20万人前後。大学卒は約45万人であり、高校卒の約20万人は決して少ない人数ではないことがわかる。企業の採用意欲も高く、2021年卒で2.08倍の求人倍率(厚生労働省調査)であり、これは大学卒の1.53倍と比較して高い(リクルートワークス研究所調査)。特に地方のものづくりの現場においては中核的な役割を果たしている。

このように「高校生の就職」は決して特殊な問題ではない。日本の多くの若者の問題である。言うまでもなく少子化が加速する今後の日本において、「高校生の就職」は若者が活躍する社会を作ろうとした際に避けては通れない論点である。

「高校生の就職」と言えば、生徒のキャリア形成や早期の離職・ミスマッチとの関係で問題点が指摘されている「1人1社制」が注目される[1]。しかし議論すべきポイントは「1人1社制」だけではない。学校でのキャリア教育から、就職活動、卒業後まで検討すべき論点は広範に存在する。しかし、こうした全体的な仕組みを急速に改革することは困難が多いと考えられることから、今回は新しい仕組みに移行していくための”ステップ”を提案する。

 

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「準備」×「就職プロセス」

具体的には高校生の就職について「4つの段階」を提案する。こう考える背景には、高校卒就職者のキャリア状況を分析した際に、「就職プロセス」とその「準備の環境」によってその後のキャリア形成が大きく異なることが明らかであるためである[2]。このため、まずは就職プロセスを大きく変更せずとも、就職活動の事前の準備を充実させることによって、卒後のキャリア形成に一定程度ポジティブな影響を与えられることを活用したステップを提案する。

もちろん、高校卒後の状況のデータから見た場合に、就職プロセスと事前の準備環境の双方の仕組みを改善することが望ましいと考えられる。ただ、施策を現実的に実施する上でステップは重要となる。このため、本稿の提案は、現状の仕組みから、まず「事前の準備環境」を整え、その後に「就職プロセス」を改善していくというフローとなる。

また、就職プロセスについても2つの段階を設けて現状の制度からの円滑な移行を想定する。

 

提案:4つの段階

こうした前提により提起するのは以下の4段階である。

①ショートタームの就職指導から、学校推薦・1人1社選考によって就職する仕組み
②ロングタームの就職準備から、学校推薦・1人1社選考によって就職する仕組み
③ロングタームの就職準備から、学校推薦・1人複数社選考によって就職する仕組み
④ロングタームの就職準備から、高校生の「希望応募」もしくはセーフティネットとしての学校推薦によって就職する仕組み

上記の4つについて現状は、卒業学年の1学期からの就職指導と学校・ハローワーク斡旋を組み合わせた、①が支配的である[3]。こうした現状認識を押さえつつ、それぞれについて詳しく見ていきたい。

 

段階① 現状の仕組み

ショートタームの就職指導から、学校推薦・1人1社選考によって就職

高校生の就職には、行政・経済団体・学校の関係者によって申し合わせられたルールが存在している。選考開始日などスケジュールから、求人票・提出書類の様式、選考方法など多岐にわたる。その中のひとつとして、選考開始から一定期間は同時に一社しか面接を受けることができないという「1人1社制」がある。この「1人1社制」という就職プロセスを規制するルールに加えて、7月に企業の求人票が出てくるタイミングに合わせて高校3年生の1学期から就職に備えた指導を行うという「ショートタームの就職指導」と合わせて現状の仕組みを構成している。実際に高校3年生まで進路が決まっていなかったとする高校卒就職者は57.2%[4]であり、就職指導が短期集中型となっている・ならざるを得ない状況を浮き彫りにする。

こうした仕組みは生徒を正規社員として就職させるという目標に際しては一定程度有効に機能していたと考えられる。また、学校推薦によって生徒が1社だけ受けられる選考先を学校が決定する方式は、生徒の勉学や部活動といった学校活動の努力を促す効果もあった。就職活動直前の数か月間にキャリアを考える機会を集中させることで、高校の授業計画や学校スケジュールにも乗りやすくなるほか、教職員の時間を有効に活用することができる。

特に、年間100万人前後の高校生が就職していった1980年代には一層有効だったかもしれない。進路指導部には地元の就職を知り尽くした進路指導主事を中核とする、複数の就職担当教員による重厚な体制が存在し、多数の就職希望の生徒たちを効率的に送り出すことができた。しかし、現在では「進路多様校」が増え、数名の就職希望者に対して「進学指導の傍らで就職指導をしている」学校も多い。特に総合型選抜やAO入試など推薦入試を中心に形態・時期が多様化しており、9月に開始される高校生の就職と推薦入試の時期が重複するという声もあった。こうした高校では十分な就職指導を行うことは難しい。結果として特に、進路多様校が多い普通科高校は専門高校と比較してミスマッチが大きくなっている[5]。なお、高校卒就職者を最も多く輩出しているのは普通科高校である(2019年卒で6万3841人)。

元々、1980年代から90年代にかけて現在よりも割合にして倍以上、数にして5倍以上という大量の高校生を短期間で企業にマッチングさせてきたこの①の仕組みは、当事者たちからの「もっとこうして欲しかった」といった消極的な振り返りに直面[6]するなど歴史的使命を終えつつある。

 

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段階② 「助走つき1人1社制」

ロングタームの就職準備から、学校推薦・1人1社選考によって就職

若者のキャリア形成の第一歩目を支える仕組みに変わっていくために、高校生の就職の仕組みの段階②のポイントは、現行の就職プロセスを維持しつつ「就職に向けた準備を長くする」ことである。現状では多くの高校生が卒業学年に進路を決定し、就職指導を受けている。多くの高校のスケジュールにおいても、数回ある卒業生講話等の機会を除いては本格的な就職活動・キャリア形成の支援が開始されるのは卒業学年に進級して以降であろう。

就職活動の段階で情報量が十分でなかった場合には、早期離職率が上昇しミスマッチが拡大するという結果もある[7]。企業の情報が「不十分だった」生徒では、初職の企業を「0点」と評価する割合は実に47.9%と半数近く、早期離職率も高いことがわかる。高校1・2年から中長期的に十分な情報を生徒に提供する仕組みを構築することで、初期のミスマッチの低減に繋げることが可能である。これが、就職活動の「助走」を長くするということだ。

高校卒就職者が高校時代に受講したキャリア教育に関わるプログラムは多様である[8]。キャリア教育として多種多様なプログラムが実施されているが、就職する高校生が多く実施しているのが、企業見学・職場見学で33.1%と3人に1人に経験があった。職業体験・インターンシップも27.8%、ほか社会人の話を聞く授業や卒業生の話を聞く授業も2割程度の経験者がいることがわかる。全体としては6割弱の生徒にいずれかのプログラムを受けた経験があった。ただし、プログラムを複数種受けたことがある生徒となるとぐっと少数派となり、2種類では全体の14.8%、3種類では8.2%、4種類では9.0%であった。こうした現在までの状況を踏まえて、まずはすでに行われていることが多いプログラムの組み合わせを継続的に実施するところから始めてはどうだろうか。

具体的に、とある都道府県においてモデル事業として検討されている取組が参考となるだろう。対象校においては、学外の支援機関のサポートを通年で受ける形で、進路ガイダンスや業種別の説明会、企業で働く若手社会人との交流、自身のキャリア選択に関するアウトプットまでを高校2年生の一年間を通じて受けていく。希望者には長期休暇を活用して1~2週間程度のインターンシッププログラムも提供される。内容自体も生徒の関心や理解に合わせてローカライズされる。こうした取組によって事前準備を十分にして、高校3年生での就職活動を迎えようとしている。モデル事業は探求学習等の時間を用い、年間の授業スケジュールと抵触せず、また外部機関を活用するため無理なく実施することができる。

プログラム一つひとつには何ら新しいところはない。しかし高校2年生の通年をかけて実施することで、プログラムを組み合わせ、生徒に合わせてチューンアップしていくことができるようになる。こうした取組は就職活動のプロセスを見直すことなく、しかし確実に生徒の早期離職を減らし、その後のキャリア形成を支援できる大きな効果が期待できる仕組みである。

 

段階③ 「1人X社制」

ロングタームの就職準備から、学校推薦・1人複数社選考によって就職

段階③のポイントは、学校推薦による複数社選考によって就職する仕組みを構築することにある。

現状、秋田県、和歌山県と沖縄県を除く全ての都道府県において、就職活動の最初に生徒が応募できる企業数は1社に限定されている。しかし、就職活動において複数社比較する選考を実施した生徒には良い効果がもたらされていることが判明している。現在「いきいきと働いているか」について、複数社応募をした高校卒就職者の方が仕事に対してポジティブな状況となっていることがわかる。また、初職企業への評価点でも「0点」が15.3%まで低下(全体では24.1%)するなど、多面的に複数社応募が効果を挙げていることがわかる[9]

ただし、高校生の就職活動に生徒の希望に応じた無制限の応募を全面的に導入することは困難である。大学生と比較すると就職活動が可能な期間はどうしても短くならざるをえないために、特定の企業に生徒の応募が集中した場合に、内定を全く得られなかった生徒が再度別の企業の選考に臨むための余剰期間が短いためである。

こうした困難性を踏まえつつも就職活動における複数比較の効能との両立を考え、漸進主義的な方向性として、「学校推薦による複数社選考」の仕組みを提案する。これは、学校が一人の生徒に対して同時に複数の推薦を出すものである。指定校求人[10]による企業の採用数は「学校が推薦できる生徒の枠」ではない。また、生徒の調査書を提出する際に「推薦の理由」を教員が記載するが、具体的にその企業でないといけない理由が記載されるケースは稀である。

例えば、こう考えてみよう。1名の採用枠に3名の生徒を推薦した場合には、2名の生徒が内定を得られないこととなるが、同時にこの3名の生徒をほかの1名の採用枠の2社に推薦した場合はどうだろうか。3つの企業で3名の指定校求人枠があり、そこに3名の生徒が応募をすることとなることから、結果的には3名全員が内定を獲得することができる。採用企業もこれまでは1名しか選考できずその生徒を採用する判断しか許されていなかったところ、この仕組みであれば自社にフィットするかどうかの観点で、「選考」を行うことができる。当然ながら、生徒の内定辞退等が発生することになるが、外部機関と伴走して生徒を支援すれば大きな問題になるとは考えづらい。企業側の採用にかかる時間は増加すると予想されるが、入社後早々に退職してしまうことと比べればその手間はいかほどだろうか。せいぜい面接の回数が増え、面接後に内定を出す生徒を検討する手間と、入社後に研修やOJTを実施し何度か給料を支払ったのちにその若手が退職してしまった場合の手間とは比べるまでもないだろう。

学校と企業の採用「実績」関係を媒介にした関係性は、指定校求人による学校推薦が残るためにこの仕組みでも一定程度維持できるし、他方で生徒の意思を尊重した企業選びも一定程度可能となる。「学校推薦による複数社選考」による就職プロセスと、ロングタームの就職準備を組み合わせた仕組みが段階③である。

厚生労働省・文部科学省の高等学校就職問題検討会議が2020年に出した報告書「高等学校卒業者の就職慣行の在り方等について」でも、複数社に応募できる仕組みづくりも含めて各都道府県に検討するよう提言されており、複数の都道府県において複数社選考が検討されている状況にある。「1人X社制」と呼ばれるような方向の改革は今後続くだろう。ただし、段階②で提案した通り、ロングタームの就職準備と組み合わせる必要があることは忘れてはならない。

 

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段階④ 「希望応募制」

ロングタームの就職準備から、高校生の「希望応募」をセーフティネットとしての学校推薦が支える仕組み

初職のミスマッチを可能な限り無くし、その後も企業で長く活躍するための第一歩を支える仕組みとなるための理想像として、段階④を提案する。段階④のポイントは高校生の希望による応募制を基軸として学校推薦がセーフティネットとなり支える点にある。

段階②、段階③では解決できない大きな問題は、「学校推薦」が就職活動の根幹をなすことである。学校推薦の前提として当然に「校内選考」が存在し、生徒はどれだけキャリアパスを考え、そのために行きたい企業、働きたい職業を見定めたとしても、学校の成績や出欠席状況、部活での活動などから点数化される「校内選考」を通過しなければその企業に応募書類を出すことすらできない。当事者からの意見には、「校内選考制度を辞めて欲しかった。行きたい場所、受けたい場所があっても選考漏れすると受けられず将来のビジョンが崩れてしまう」(商業科卒、回答時38歳、女性)という意見があがっている[11]。高校生たちの主体的なキャリア形成と、どうバランスをとっていくのかは看過できないポイントである。

段階②、段階③を経て、十分な就職準備と複数社を比べて選ぶ就職活動が定着した後、実現が可能となる「希望応募制」は、生徒のキャリア形成上の希望により応募する企業を選ぶことを周りが支える仕組みを中核とし、また、希望する生徒には学校が推薦を与えてサポートする仕組みとなる。学校推薦の仕組みは、内定を得られない可能性がある生徒や、キャリア形成上志望度が高い企業の指定校求人があった場合に用いる[12]。主としてセーフティネットとしての機能である。

高校卒就職においては求人倍率が安定的に全体で1倍を大きく超えて推移していることからもわかるように、就職希望の生徒に対して求人数が大きく上回っている。このことから、セーフティネットとして就職先が一定の時期までに決まらなかった生徒に対しての学校推薦は機能する可能性が高い。特に、学校推薦で8割以上が就職先決定している現状を踏まえれば現状学校推薦で斡旋できる求人数は十二分に存在していることになる。もしこのセーフティネットとしての学校推薦が機能しないのであれば、そもそも求人数が就職希望の生徒に対して足りていないことを意味するため、段階①においても学校推薦が与えられる生徒数が限定され、公平性の観点から問題のある仕組みであることになる[13]。つまり、段階①が成立するのであれば段階④が可能である前提は整っている。

学校推薦をセーフティネットとしつつ、生徒のキャリア形成上の希望を実現するために、生徒が校内の事前選考なく応募するのが「希望応募制」である。ただし、段階③から段階④への移行にあたっては不可欠な新しい要素がいくつか存在する。

第一に、事前の準備から就職活動までを俯瞰したキャリアコンサルテーション機能である。十分な準備を活かした就職活動とするために、進路指導部に常駐する外部支援職員といった形態に留まらず、キャリア教育・就職支援全体を高校1・2年生から継続的にサポートする職員が必要となる。就職活動に関する業務のタスクアウトも含め、就職支援に係る業務の整理と外部人材の活用を本格的に検討しなくてはならない。

第二に、就職活動や準備において生徒が行う範囲と学校が行う範囲の整理が必要となる。例えば、進学においては全てのオープンキャンパスを高校教員が管理するわけではなく、模試にも同行しないし、また受験も後日結果の報告を聞くだけのことがほとんどである。願書等書類送付も生徒が各自で行うことが多い。同じ高校生の進路選択に関してこうしたことを考えると、就職指導では当たり前のように考えられている、生徒の就職活動・準備を教員の手元で管理し保護しなくてはならない、という考え方自体は本当に当たり前だろうか。外部の支援を借りながら、生徒ができることの範囲を広げていくことは可能ではないだろうか。なお、成人年齢の18歳への引き下げにより、高校卒業時点で必ず成人となっているため、全ての生徒は労働契約締結主体となる。

第三に、地域によって求人数に偏りがあるため、「希望応募」が難しい地域が出てくる可能性があり、応募機会を平準化する仕組みが必要となる。地元の求人を中核としながらも、求人を広く検索できる仕組みが必要となる。ハローワークのデータベース(「高卒就職情報WEB提供サービス」)への生徒からのアクセスを容易にする[14]ほか、外形的な文字情報のみとなっている企業情報を充実したり、また、データベースを開放し民間企業による活用を促すなどの方策が必要となるだろう。

 

就職活動を大切なスタート地点に

いまだ多くの若者が経験している「高校生の就職」の問題を放置したままで、若者が本当に活躍する社会はつくることはできない。本稿では、その具体的な解決の道筋を4つの段階に分けて提案した。

若者が本格的に減少していく日本社会だからこそ、多くの大人が若者一人ひとりに目をかけ手をかけることができる。そんな当たり前の発想が実行に移されたとき、「高校生の就職」は学校生活最後のイベントではなく、長い職業生活の大切で忘れられないスタート地点となるだろう。

 

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執筆: 古屋 星斗 Shoto Furuya
一般社団法人スクール・トゥ・ワーク代表理事

 

[1] 以下の記事等が存在する。
日経新聞,2021年3月20日,「高校就活「1人1社」の弊害」,2021年4月29日閲覧
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO70174580Z10C21A3EA1000/
ダイヤモンドオンライン,2019年9月5日,「高校生就活の知られざる闇ルール、1人1社制・内定辞退できない…」,2021年4月29日閲覧
https://diamond.jp/articles/-/213850

[2] リクルートワークス研究所,2021,「高校生の就職とキャリア」P.15

[3] 例えば、文部科学省,学校基本調査によれば学校・ハローワークの斡旋率は8割を超えており、かつ就職活動で「1社だけ選考」だった者は少なくとも6割前後存在している(リクルートワークス研究所,2021,「高校生の就職とキャリア」)。

[4] リクルートワークス研究所,2020,高校卒就職当事者に関する定量調査より筆者作成

[5] リクルートワークス研究所,2021,「高校生の就職とキャリア」P.16

[6] リクルートワークス研究所,2021,「『高校卒就職当事者に関する定量調査』における、就職活動でもっと学校にしてほしかったことに関する自由記述回答の一覧」を参照。無回答等を除く、1419名分の当事者の意見を掲載している

[7] リクルートワークス研究所,2021,「高校生の就職とキャリア」P.12

[8] 以下のキャリア教育受講率に係るデータはすべて、リクルートワークス研究所,2020, 「高校卒就職当事者に関する定量調査」より筆者作成

[9] 詳細については、追加分析レポート「高校就職での複数応募はキャリアにどのような影響を与えるのか」を参照
https://www.works-i.com/project/koukousotsu/viewpoint/detail005.html

[10] 高校生の採用に特有の制度で、採用企業が指定した高校にのみ求人票を開示する

[11] リクルートワークス研究所,2021,「『高校卒就職当事者に関する定量調査』における、就職活動でもっと学校にしてほしかったことに関する自由記述回答の一覧」 他にも非常に多様な当事者の声が掲載されている

[12] このため、推薦の可否は生徒のキャリア形成との親和性や職業体験参加時の状況、社員との交流時の状況など事前の準備期間における内容が勘案すべき項目となり、現在のような成績・出欠席による評価のみとはならない

[13] 事実として、リーマンショック直後に高校・ハローワークの斡旋率は通常8割前後のところ6割台まで急激に低下し、景気後退局面における段階①の仕組みの脆弱性が露呈する結果となっている

[14] 現状は生徒個々人にIDとパスワードは付与されておらず、教員に付与されている

中日新聞「<進路選択の新常識>」連載開始のお知らせ

この度、学生及び早活人材[1]に対するキャリア教育事業等を行う一般社団法人スクール・トゥ・ワーク(所在地:東京都千代田区、代表理事:古屋 星斗)の代表者の古屋が、2021年4月28日付中日新聞より「<進路選択の新常識> 」の連載を開始いたしました。今後、毎月第4水曜日の同紙朝刊「学ぶ面」において、進学・就職の進路選択を控えた高校生やその保護者・教職員を対象にして掲載されます。

なお、同紙4月28日では、「選択の回数が増える」「自分で決めた経験大事」をテーマに連載第1回が掲載されております。

 

[1] 非大卒人材とも言われ、主に中学校卒、高等学校卒、専門学校卒、高等専門学校卒、短期大学卒や大学中退などの人材のこと

中日新聞「<今、教育を考える>高校生の就職調査」掲載のお知らせ

この度、学生及び早活人材[1]に対するキャリア教育事業等を行う一般社団法人スクール・トゥ・ワーク(所在地:東京都千代田区、代表理事:古屋 星斗)は、2021年4月14日付中日新聞の「<今、教育を考える>高校生の就職調査」と題し、代表の古屋への取材をもとにした記事が掲載されましたので、お知らせいたします。高校生の就職について最新の調査をもとに課題と展望についてコメントしており、早活人材を考える必須の内容となっております。

また、中日新聞の「学ぶ面」で4月28日から毎月第4水曜に「進路選択の新常識」と題してコラムを執筆することになりましたので、併せてお知らせいたします。

 

[1] 非大卒人材とも言われ、主に中学校卒、高等学校卒、専門学校卒、高等専門学校卒、短期大学卒や大学中退などの人材のこと

「仕事して学びなおして。世界と自分が広がった」

「学び直し」が流行していますが、それは「人生で、本格的に学ぶ時期が若いうちに限定されない」という社会が到来したことも意味しています。今回は、高校卒後に就職した会社で職業人として活躍した後に、大学院生となった平田朗子さん(以降敬称略)にお話を伺いました。(聞き手:代表理事 古屋)

説明がありません

古屋
本日はよろしくお願いいたします。まずご略歴を教えてください。

平田
東京都の普通科高校の国分寺高校を卒業しました。卒後リクルート社に入社して、情報システム部、営業推進部などの内勤のあと、住宅情報の営業を10年ほどしていました。その後、新規事業企画を4年しまして、現在勤務するリクルートスタッフィングに出向、転籍。営業部門で営業マネージャーをしたのち、営業部長をしていました。その後現在は、スマートワーク推進室で従業員及び派遣社員のテレワーク促進等の働き方改革の仕事をしています。

古屋
ありがとうございます。きらびやかなご経歴で何を聞こうか迷ってしまいますが、本日はまず、高校卒時の就職活動について伺いたいです。

平田
高校では、就職する人が他におらず、自分だけ就職でした。このためほとんど就職のサポートはなかったです。

作家やジャーナリストになりたかったので早稲田大学の“一文”に行きたいと思っていました。ただ、実家が自営業で経営をしていたのですが、あまりうまくいっておらず金銭的に厳しかったんです。ですから、高校に入ったころからバイトをして学費を稼いでいました。

大学に行くとなると、普通にバイトするだけだと学費が足りなかったので、このため一度就職してからお金をためて進学しようと思いまして。また、やりたい仕事が作家やジャーナリストだったので社会人経験を積むのもためになるかもしれない、とも思っていましたね。

古屋
就職活動について、学校のサポートはいかがでしたか?

平田
先生はあまり就職についてご存知なかったです。大学の「赤本」がある部屋に、学校に来た就職案内があったので自分で見ていました。その中で探したんですが、今でも覚えているのが渋谷区役所の求人で、初任給が10万円。月給だけ見れば当時していたバイト代と変わりませんでした。年間120万ではちょっと暮らせないな、と思ったことを覚えています。

そこで月給が高い順番に並べて見ていくと、14.7万円でバスガイド。13.2万円でリクルート。これが1位、2位でした。ただ、遠いところに行くと大学に通ったりしづらくなるかなと思いバスガイドは候補からはずれました。結局、入社後に仕事が楽しくて大学に行く気持ちも忘れてしまうのですが。

また、リクルート社の就職案内は、高校卒で働いている社員の写真とエピソードが載っていてどんな風に働くのかとかどんな人が働いているのかなど、イメージしやすかったことも決め手になりました。ほかの企業の案内は条件などの文字中心でイメージがわかないものばかりでした。そのパンフレットを見るまでは、当時リクルート社のことは全く知りませんでした。

就職しようと思ったのが秋でギリギリだったんですが、申し込んだら直後に「10月1日に面接がある」と言われて銀座の会場にいきました。まずオフィスが立派なことに驚き、面接を受けに来た高校生がたくさんいたことにも驚きました。筆記試験と面接があり、その日の夜に「通過したので」と電話がありました。面接は2日間ありました。

親にも選考を受けたことを言っていませんでしたので、家の電話にかかってきた一次面接合格の連絡を、親が間違い電話だと思い、切ろうとしたのを慌てて代わり結果を聞きました。

古屋
知らない会社でもパンフレットで年の近い社員さんの様子がわかると親近感がわきますよね。何名くらい採用されていたのでしょうか。また、会社選びにあたっては給料以外に気にしたところはありましたか。

平田
私が入社したのは1985年ですが、同期で30数名が高校卒でした。大学卒は500人、短大卒が20名ほどいました。高校卒は、地方の高校から積極的に採用していたそうで、自分以外に東京の高校生はいませんでした。

当時は、仕事のイメージがわかなかったので、条件(給与)をみるくらいしか企業を比較しようがありませんでした。高卒で就職する人は早く自立したいと思っていたり、実際に早く自立を迫られる環境にいたりするので、アルバイト経験がある人も多く、当時の私のように時給で給与を見る感覚が強いのではないでしょうか。

古屋
入社後の研修についてはいかがでしたか?

平田
研修は学歴に関わらず全員が一斉に受けるものと、学歴別の研修の2つがありました。そのほかにも、同じ職場で部署の研修があったので高卒大卒問わず同じ部署の人は特に「同期的」な感覚がありました。

よく高校卒で事業所配属されると、「直近の先輩が45歳」とかで世代のギャップがあり、辞めてしまう、みたいな話を聞きますが、私は大量採用時代ということもあり、幸いなことに年齢の近い同期がたくさんいたので、楽しかったです。その「同期」のみなさんとは、いまだに交流があります。

特に入社前の1泊2日の研修は、様々なワークを通して同期同士で仲良くなるのが目的で、冬休みだったか春休みだったかの長期休暇を利用して実施されました。働きはじめていきなり「はじめまして」、ではなじむのに時間がかかったと思いますので、入社した時に知っている顔があるというのは良かったなと、思います。

古屋
右も左もわからない新入社員の頃の「同期」ほどありがたいものはありませんよね。就職活動で高校にしてほしかったことはありますか?

平田
年齢が1個上、2個上の働いている人の話を聞きたかったです。社会人の働く事例みたいなものがしっかり見えていたらその後の不安も全然違ったのではないかと思いました。

やはり高校生では見える社会が狭いですので。

古屋
その後、冒頭で伺ったように、様々な仕事を経て活躍され、そんな中で大学院に行こうと思った理由は何だったのでしょう?

平田
高卒ということもあり、自分には体系的な学びが不足しているのではないかとずっと思っていました。なので、20代〜30代の時は、グロービスに通ったり、ファイナンシャルプランナーの資格を取得したり、色々な学校に通いました。グロービスのプログラムはほとんど受けてしまい、もう受講するものがなくなってしまったくらいです。そんな中で、大学院進学を考えたのは、50歳になり、仕事について自分のなかでなんとなく行き詰まりを感じていたことが大きな理由です。またこの20年人材ビジネスに従事してきて、これが天職だと思ってきましたが、働くということを体系的に学んでいないと気付いたんです。

しかし、どうやって学んだらよいのかわからない。そんな時、たまたま、以前同じ職場だった先輩とご飯を食べに行く機会があり、丁度その先輩が大学院に行こうとしているという話しを聞いて。そこで、「そういう発想があるんだ」と。「私は大学出てないから無理かな」と相談したころ、「行けるみたいだよ。調べてみたら」とその先輩にアドバイスして貰ったんです。大学院の受験塾というものを紹介してくれ、そこにいって試験対策を教えてもらいました。大学院によっても異なりますが、私が受験したところは、研究計画書の審査と面接を経て、学部卒の人と同じように大学院を受験することができました。

説明がありません

(グロービスの友人たちと)

古屋
志望先として選んだ教授のことはもとからご存知だったのでしょうか?

平田
はい。その教授のゼミに会社の同僚が通っており、その繋がりで会社で講演していただいたことがあり、その時の話がアカデミックでありながら現実の企業の状況も踏まえたとてもわかりやすく納得のいく話で、この先生のもとで学びたいと強く思いました。

社会人大学院で、平日夜と土日で、働きながら通えることも大きなポイントでした。

古屋
なぜ大学ではなく大学院に行こうと思ったのでしょうか?

平田
「働くことを研究する」、という目的が自分のなかで明確でした。だとすると学部にいくのは遠回りなのかなと感じました。学部はもう少し目的が曖昧な状態で行くものなのかな、と。

また、これは申し込む時に知ったのですが、「教育訓練給付金」という素晴らしい公的制度があり、大学院での学習の経済的な負担が相当程度軽減されます。これは絶対に使った方が得ですので、学びたいことがある人ひとはみんな大学院に行くべきなんじゃないかと思っているくらいです。

古屋
最後に、平田さんにとって、大学院に行くことはどんな良いことがありましたか。

平田
たくさんあります。まず、様々な専門家である先生からの本や文献の紹介をしていただけること。普段自分が手に取らないような本を読むことで、知らなかった世界が開かれました。世界はこんなに広い、ということは大学院によって実感しました。世界が広がるということ自体がすごい学びだと思いますし、単純に知らないことを学ぶことが、毎日刺激的で、とても楽しかったです。

また、座学だけではなく、グループワークが多い授業形態からも様々な気づきがありました。同質な人が多い会社や友人関係とくらべ、本当に様々な職業や年齢や価値観の人がいます。大学院の友人と一緒に様々なことに取り組む中で、良くも悪くも、「経済効率重視」で物事を考える自分の偏りに気付かされました。ああ、本当に1つの偏った価値観の中にいたのかもしれないな、と、いい歳をして恥ずかしい話しですが、しみじみ実感しました。会社だけにいては、こういったことは実感として気付きにくかったと思います。

そしてその過程で、多くの友人に恵まれたことも一生の宝でした。みんなで侃々諤々熱くなって議論したり、ゼミ合宿にいったり、授業のあと飲みにいったり、なんだか青春でした。

大学院にいって本当に良かったです。世の中のことをたくさん知ることができて、自分の世界も広がりましたし、自分のことも少しは俯瞰で見れるようになったのかなと思います。そしてそんな中で、分かち合える友人が出来たこと。それが私にとっての大学院での学びの効果でしょうか。

 古屋
仕事でのご経験が大学院での学びと重なり合って、これからもたくさんの発見が出てきそうですね!本日はありがとうございました。

日本経済新聞「「1人1社」の高校就活慣行 早期離職の温床に」掲載のお知らせ

この度、学生及び早活人材[1]に対するキャリア教育事業等を行う一般社団法人スクール・トゥ・ワーク(所在地:東京都千代田区、代表理事:古屋 星斗)は、2021年3月9日付日本経済新聞の「「1人1社」の高校就活慣行 早期離職の温床に」と題した記事に、当団体の代表理事である古屋のコメントが掲載されましたので、お知らせいたします。

 

<記事の一部引用>

本来なら関心のある業界や地元企業のなかで、「複数の企業を比較し、この会社に入ったらどんなふうにキャリアを積んでいけるか考えながら就職先を選ぶことが大事」。同研究所で調査を担当した古屋星斗研究員は指摘する。

 

[1] 非大卒人材とも言われ、主に中学校卒、高等学校卒、専門学校卒、高等専門学校卒、短期大学卒や大学中退などの人材のこと