中日新聞「<進路選択の新常識>」連載開始のお知らせ

この度、学生及び早活人材[1]に対するキャリア教育事業等を行う一般社団法人スクール・トゥ・ワーク(所在地:東京都千代田区、代表理事:古屋 星斗)の代表者の古屋が、2021年4月28日付中日新聞より「<進路選択の新常識> 」の連載を開始いたしました。今後、毎月第4水曜日の同紙朝刊「学ぶ面」において、進学・就職の進路選択を控えた高校生やその保護者・教職員を対象にして掲載されます。

なお、同紙4月28日では、「選択の回数が増える」「自分で決めた経験大事」をテーマに連載第1回が掲載されております。

 

[1] 非大卒人材とも言われ、主に中学校卒、高等学校卒、専門学校卒、高等専門学校卒、短期大学卒や大学中退などの人材のこと

中日新聞「<今、教育を考える>高校生の就職調査」掲載のお知らせ

この度、学生及び早活人材[1]に対するキャリア教育事業等を行う一般社団法人スクール・トゥ・ワーク(所在地:東京都千代田区、代表理事:古屋 星斗)は、2021年4月14日付中日新聞の「<今、教育を考える>高校生の就職調査」と題し、代表の古屋への取材をもとにした記事が掲載されましたので、お知らせいたします。高校生の就職について最新の調査をもとに課題と展望についてコメントしており、早活人材を考える必須の内容となっております。

また、中日新聞の「学ぶ面」で4月28日から毎月第4水曜に「進路選択の新常識」と題してコラムを執筆することになりましたので、併せてお知らせいたします。

 

[1] 非大卒人材とも言われ、主に中学校卒、高等学校卒、専門学校卒、高等専門学校卒、短期大学卒や大学中退などの人材のこと

「仕事して学びなおして。世界と自分が広がった」

「学び直し」が流行していますが、それは「人生で、本格的に学ぶ時期が若いうちに限定されない」という社会が到来したことも意味しています。今回は、高校卒後に就職した会社で職業人として活躍した後に、大学院生となった平田朗子さん(以降敬称略)にお話を伺いました。(聞き手:代表理事 古屋)

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古屋
本日はよろしくお願いいたします。まずご略歴を教えてください。

平田
東京都の普通科高校の国分寺高校を卒業しました。卒後リクルート社に入社して、情報システム部、営業推進部などの内勤のあと、住宅情報の営業を10年ほどしていました。その後、新規事業企画を4年しまして、現在勤務するリクルートスタッフィングに出向、転籍。営業部門で営業マネージャーをしたのち、営業部長をしていました。その後現在は、スマートワーク推進室で従業員及び派遣社員のテレワーク促進等の働き方改革の仕事をしています。

古屋
ありがとうございます。きらびやかなご経歴で何を聞こうか迷ってしまいますが、本日はまず、高校卒時の就職活動について伺いたいです。

平田
高校では、就職する人が他におらず、自分だけ就職でした。このためほとんど就職のサポートはなかったです。

作家やジャーナリストになりたかったので早稲田大学の“一文”に行きたいと思っていました。ただ、実家が自営業で経営をしていたのですが、あまりうまくいっておらず金銭的に厳しかったんです。ですから、高校に入ったころからバイトをして学費を稼いでいました。

大学に行くとなると、普通にバイトするだけだと学費が足りなかったので、このため一度就職してからお金をためて進学しようと思いまして。また、やりたい仕事が作家やジャーナリストだったので社会人経験を積むのもためになるかもしれない、とも思っていましたね。

古屋
就職活動について、学校のサポートはいかがでしたか?

平田
先生はあまり就職についてご存知なかったです。大学の「赤本」がある部屋に、学校に来た就職案内があったので自分で見ていました。その中で探したんですが、今でも覚えているのが渋谷区役所の求人で、初任給が10万円。月給だけ見れば当時していたバイト代と変わりませんでした。年間120万ではちょっと暮らせないな、と思ったことを覚えています。

そこで月給が高い順番に並べて見ていくと、14.7万円でバスガイド。13.2万円でリクルート。これが1位、2位でした。ただ、遠いところに行くと大学に通ったりしづらくなるかなと思いバスガイドは候補からはずれました。結局、入社後に仕事が楽しくて大学に行く気持ちも忘れてしまうのですが。

また、リクルート社の就職案内は、高校卒で働いている社員の写真とエピソードが載っていてどんな風に働くのかとかどんな人が働いているのかなど、イメージしやすかったことも決め手になりました。ほかの企業の案内は条件などの文字中心でイメージがわかないものばかりでした。そのパンフレットを見るまでは、当時リクルート社のことは全く知りませんでした。

就職しようと思ったのが秋でギリギリだったんですが、申し込んだら直後に「10月1日に面接がある」と言われて銀座の会場にいきました。まずオフィスが立派なことに驚き、面接を受けに来た高校生がたくさんいたことにも驚きました。筆記試験と面接があり、その日の夜に「通過したので」と電話がありました。面接は2日間ありました。

親にも選考を受けたことを言っていませんでしたので、家の電話にかかってきた一次面接合格の連絡を、親が間違い電話だと思い、切ろうとしたのを慌てて代わり結果を聞きました。

古屋
知らない会社でもパンフレットで年の近い社員さんの様子がわかると親近感がわきますよね。何名くらい採用されていたのでしょうか。また、会社選びにあたっては給料以外に気にしたところはありましたか。

平田
私が入社したのは1985年ですが、同期で30数名が高校卒でした。大学卒は500人、短大卒が20名ほどいました。高校卒は、地方の高校から積極的に採用していたそうで、自分以外に東京の高校生はいませんでした。

当時は、仕事のイメージがわかなかったので、条件(給与)をみるくらいしか企業を比較しようがありませんでした。高卒で就職する人は早く自立したいと思っていたり、実際に早く自立を迫られる環境にいたりするので、アルバイト経験がある人も多く、当時の私のように時給で給与を見る感覚が強いのではないでしょうか。

古屋
入社後の研修についてはいかがでしたか?

平田
研修は学歴に関わらず全員が一斉に受けるものと、学歴別の研修の2つがありました。そのほかにも、同じ職場で部署の研修があったので高卒大卒問わず同じ部署の人は特に「同期的」な感覚がありました。

よく高校卒で事業所配属されると、「直近の先輩が45歳」とかで世代のギャップがあり、辞めてしまう、みたいな話を聞きますが、私は大量採用時代ということもあり、幸いなことに年齢の近い同期がたくさんいたので、楽しかったです。その「同期」のみなさんとは、いまだに交流があります。

特に入社前の1泊2日の研修は、様々なワークを通して同期同士で仲良くなるのが目的で、冬休みだったか春休みだったかの長期休暇を利用して実施されました。働きはじめていきなり「はじめまして」、ではなじむのに時間がかかったと思いますので、入社した時に知っている顔があるというのは良かったなと、思います。

古屋
右も左もわからない新入社員の頃の「同期」ほどありがたいものはありませんよね。就職活動で高校にしてほしかったことはありますか?

平田
年齢が1個上、2個上の働いている人の話を聞きたかったです。社会人の働く事例みたいなものがしっかり見えていたらその後の不安も全然違ったのではないかと思いました。

やはり高校生では見える社会が狭いですので。

古屋
その後、冒頭で伺ったように、様々な仕事を経て活躍され、そんな中で大学院に行こうと思った理由は何だったのでしょう?

平田
高卒ということもあり、自分には体系的な学びが不足しているのではないかとずっと思っていました。なので、20代〜30代の時は、グロービスに通ったり、ファイナンシャルプランナーの資格を取得したり、色々な学校に通いました。グロービスのプログラムはほとんど受けてしまい、もう受講するものがなくなってしまったくらいです。そんな中で、大学院進学を考えたのは、50歳になり、仕事について自分のなかでなんとなく行き詰まりを感じていたことが大きな理由です。またこの20年人材ビジネスに従事してきて、これが天職だと思ってきましたが、働くということを体系的に学んでいないと気付いたんです。

しかし、どうやって学んだらよいのかわからない。そんな時、たまたま、以前同じ職場だった先輩とご飯を食べに行く機会があり、丁度その先輩が大学院に行こうとしているという話しを聞いて。そこで、「そういう発想があるんだ」と。「私は大学出てないから無理かな」と相談したころ、「行けるみたいだよ。調べてみたら」とその先輩にアドバイスして貰ったんです。大学院の受験塾というものを紹介してくれ、そこにいって試験対策を教えてもらいました。大学院によっても異なりますが、私が受験したところは、研究計画書の審査と面接を経て、学部卒の人と同じように大学院を受験することができました。

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(グロービスの友人たちと)

古屋
志望先として選んだ教授のことはもとからご存知だったのでしょうか?

平田
はい。その教授のゼミに会社の同僚が通っており、その繋がりで会社で講演していただいたことがあり、その時の話がアカデミックでありながら現実の企業の状況も踏まえたとてもわかりやすく納得のいく話で、この先生のもとで学びたいと強く思いました。

社会人大学院で、平日夜と土日で、働きながら通えることも大きなポイントでした。

古屋
なぜ大学ではなく大学院に行こうと思ったのでしょうか?

平田
「働くことを研究する」、という目的が自分のなかで明確でした。だとすると学部にいくのは遠回りなのかなと感じました。学部はもう少し目的が曖昧な状態で行くものなのかな、と。

また、これは申し込む時に知ったのですが、「教育訓練給付金」という素晴らしい公的制度があり、大学院での学習の経済的な負担が相当程度軽減されます。これは絶対に使った方が得ですので、学びたいことがある人ひとはみんな大学院に行くべきなんじゃないかと思っているくらいです。

古屋
最後に、平田さんにとって、大学院に行くことはどんな良いことがありましたか。

平田
たくさんあります。まず、様々な専門家である先生からの本や文献の紹介をしていただけること。普段自分が手に取らないような本を読むことで、知らなかった世界が開かれました。世界はこんなに広い、ということは大学院によって実感しました。世界が広がるということ自体がすごい学びだと思いますし、単純に知らないことを学ぶことが、毎日刺激的で、とても楽しかったです。

また、座学だけではなく、グループワークが多い授業形態からも様々な気づきがありました。同質な人が多い会社や友人関係とくらべ、本当に様々な職業や年齢や価値観の人がいます。大学院の友人と一緒に様々なことに取り組む中で、良くも悪くも、「経済効率重視」で物事を考える自分の偏りに気付かされました。ああ、本当に1つの偏った価値観の中にいたのかもしれないな、と、いい歳をして恥ずかしい話しですが、しみじみ実感しました。会社だけにいては、こういったことは実感として気付きにくかったと思います。

そしてその過程で、多くの友人に恵まれたことも一生の宝でした。みんなで侃々諤々熱くなって議論したり、ゼミ合宿にいったり、授業のあと飲みにいったり、なんだか青春でした。

大学院にいって本当に良かったです。世の中のことをたくさん知ることができて、自分の世界も広がりましたし、自分のことも少しは俯瞰で見れるようになったのかなと思います。そしてそんな中で、分かち合える友人が出来たこと。それが私にとっての大学院での学びの効果でしょうか。

 古屋
仕事でのご経験が大学院での学びと重なり合って、これからもたくさんの発見が出てきそうですね!本日はありがとうございました。

日本経済新聞「「1人1社」の高校就活慣行 早期離職の温床に」掲載のお知らせ

この度、学生及び早活人材[1]に対するキャリア教育事業等を行う一般社団法人スクール・トゥ・ワーク(所在地:東京都千代田区、代表理事:古屋 星斗)は、2021年3月9日付日本経済新聞の「「1人1社」の高校就活慣行 早期離職の温床に」と題した記事に、当団体の代表理事である古屋のコメントが掲載されましたので、お知らせいたします。

 

<記事の一部引用>

本来なら関心のある業界や地元企業のなかで、「複数の企業を比較し、この会社に入ったらどんなふうにキャリアを積んでいけるか考えながら就職先を選ぶことが大事」。同研究所で調査を担当した古屋星斗研究員は指摘する。

 

[1] 非大卒人材とも言われ、主に中学校卒、高等学校卒、専門学校卒、高等専門学校卒、短期大学卒や大学中退などの人材のこと

教育新聞「1社しか知らない高校就活のわな 早期離職との関連を指摘」掲載のお知らせ

この度、学生及び早活人材[1]に対するキャリア教育事業等を行う一般社団法人スクール・トゥ・ワーク(所在地:東京都千代田区、代表理事:古屋 星斗)は、2021年2月22日付教育新聞の「1社しか知らない高校就活のわな 早期離職との関連を指摘」と題した記事に、当団体の代表理事である古屋のコメントが掲載されましたので、お知らせいたします。

 

<画像の引用及び記事の一部引用>

古屋さんは「就職活動で1社しか知らない状態は明らかにマイナスの影響があるが、だからといって大学生のように何十社も見比べる必要はない。同じ業種や生徒の希望に合う企業を2、3社比較できれば、仕事へのイメージを明確に持つことができる」と強調。その一方で「生徒に任せきりだったり、進学に重点が置かれ、就職には力を入れていなかったりすると、この『1社しか知らない状態』に陥ってしまいかねない」と危惧する。

 

古屋さんは「年に1回だけの講話やインターンシップだけをもって『キャリア教育』としている高校と、外部人材が伴走しながらPBLによる『キャリア教育』を実施している高校では、同じ『キャリア教育』でも格差がある。1年生の段階から助走を始めて、3年生でしっかり比べて選べることが理想だ」と高校のキャリア教育をアップデートする必要性を強調。

「日本では何でも学校にやらせるような文化があるが、全てを内製化する必要はない。一方で、個々の生徒のことをよく分かっているのは教師。生徒に合わせて外部の人材やリソースをファシリテートする新しい役割が求められている」と、高校のキャリア教育の役割分担を提案した。

 

古屋さんは「高校卒業後に就職する動機は半数近くが前向きなものだった。勉強したくないから就職しているという認識は間違いだ」と指摘。「社会に出て学び直したいという人をしっかり支援できれば、人材の質をさらに高められるということでもある。そもそも、何歳になっても学びたい人が通うのが大学の本来の姿だ」とリカレント教育の充実も課題に挙げた。

 

[1] 非大卒人材とも言われ、主に中学校卒、高等学校卒、専門学校卒、高等専門学校卒、短期大学卒や大学中退などの人材のこと