みなさんは“高校を中退”した人にどんなイメージがあるでしょうか。高校を中退した後、地元の和歌山でとびの仕事をしていた龍神さん。4年勤めたとびを辞め、現在は東京でweb広告の営業をしています。今回は、現在22歳の龍神さんにキャリアストーリーを伺います。
高校を中退、そして3カ月で高校卒業
古屋:
龍神さんは今、東京でwebの広告営業の仕事をされていますが、中高ではどのような生徒さんでしたか?
龍神:
僕は実は高校はほとんど行かずに中退しています。中学校もあんまり行ってなくて。いわゆる不良、マイルドヤンキーでしたね。でも、中学時代の同級生は7割くらいは大学に行っているんですよ。当時はあんまり自分と変わらないなと思っていたのですが。
古屋:
今、大学に行っている同級生と、中学校時代はあまり差を感じなかったんですね。全然違う人生を送っている彼らを見て、何か思うことはありますか?
龍神:
これまで高校を中退してから仕事をしてきたんですが、ここに来て、大学に行きたいなと思っています。高校中退した後に18歳で一瞬だけ本気で勉強していて高卒資格を取ったんです。だから大学受験はできる。なので大学で学びたい学問があれば迷わず行こうと思ってます。
古屋:
面白いですね。18歳で一瞬だけ勉強したというのはどのくらい勉強したんでしょうか。
龍神:
3ヶ月で合格コミットという、地元の高検塾に行きました。ですから勉強したのは3ヶ月ですね。
古屋:
3ヶ月!3ヶ月で高卒資格ですから、3ヶ月で3年分の勉強をしたことになりますね。
龍神:
そう言われると、そうなりますね。
古屋:
話が戻りまして、高校を中退された後は、どんなことをしていましたか。
龍神:
高校時代から建設現場でバイトしていたのですが、これが楽しくなって、こっちを仕事にしました。給料が良かったこともあり、和歌山県で月25~30万円だったんですよ。
高校は二学期に辞めまして、4年間建設現場で正社員として働いていました。いろんな現場に行っていたので、日々違う人と触れ合っていたんですが、仕事に厳しい人が多かったですね。なのでよく失敗して怒られてました。
ただ、仕事は大変だったのですが、給料が良かったので、その給料を毎月散財することが唯一の楽しみでした。たまに大阪とかに繰り出したりもしましたが、メインは和歌山駅前のキャバクラ。一回数万円とか使って遊びました。
古屋:
地元で一回数万円はかなり目立ったでしょうね。最初のお仕事にはどんな印象が残っていますか。
龍神:
現場が日ごとに変わっていたこともあり特に印象とかはあまり残ってないです。仕事の内容はとび職で、足場をつくっていく仕事。
ただ、この仕事を定年までするつもりはなく、いつか抜けようと思っていたんです。でも、本当にまわりの情報がなかったので全く何も分からなかったんです。
“自動車学校の教官”が最初のきっかけだった
古屋:
そんな中で、最初のきっかけはなんだったんでしょうね。
龍神:
今でも覚えているのは、最初の情報を教えてくれたのが自動車学校の先生だったことです。車の運転免許を取得しに自動車学校に通っていたら、30代くらいの教官に、運転している最中に雑談をしていたんです。
この中で、「中卒なんで職の選択肢の幅が狭くてどうすれば良いのか」という相談を何気なくしたんです。その時に、教官が言ったのが「高卒認定に挑戦してみたら?」ということ。
それで選択肢を広げるために高卒認定を取ったんです。その教官にも認定取得は「難しいよ」と言われたが、「逆にやってやろう」と気持ちに火がつきました。認定塾の先生にも1年は勉強しないと無理だろうと言われたが、3ヶ月でとれてちょっと嬉しかったです。
古屋:
それは嬉しいですね。高卒認定取得後はどうされたのでしょうか?
龍神:
医療関係の専門学校の試験を受けました。でも、筆記は受かったが面接は落ちました。やはり経歴で・・・。
そこで、貯金をかなり蓄えていたので海外行こうと思い立って、海外留学支援をやっていたハッシャダイをツイッターで知ったんです。
すぐに、DMか電話かで問い合わせました。「すぐ来れますか」と言われたので、オンラインで即答でOKして。今の環境を変えることでしか、今の自分を変えられないと思ったから即決でした。
古屋:
ハッシャダイさんのインターンシップはいかがでしたか?
龍神:
インターネット回線を売るインターンは結構上手くいきました。営業は仕組み化されているので、モチベーションを上げる仕組みもあり、目標がある人は契約をとれるんです。その時に、「自分、営業向いているな」と思いました。
古屋:
今に繋がる、大きな発見ですね。インターンシップ参加後、どんなアクションを起こしたのでしょうか。
龍神:
当時、成長意欲がとても高くて、営業スキルを極めたかったんです。新規営業をゴリゴリやって、更にBtoB営業をやりたかった。そこで、法人営業ができる会社に入りました。
法人営業は個人営業と基本はあんまり変わらなかったが、マナーはもちろん高いレベルが求められるので学び直しました。もちろん、商材への知識量もです。
今やっているのがこの仕事で、webの広告営業です。勉強はOJTがやはり一番学べますね。でも次のステップに行こうかと思っているんです。
古屋:
今はまず、成長、ということですか?
龍神:
一言でいうのは難しいですね。成長意欲については、実は模索している段階なんです。営業は向いていると思いますが、一生やっていくわけではないので、模索している。
できれば次は、少人数のスタートアップに行きたい。あえてのメガベンチャーも。海外もあるかも。今の仕事は上手くいっている、結構売れているのですが、もう会社には辞めるという話はしてあるんです。
「人に言われて決断するのが一番後悔する」
古屋:
龍神さんのキャリアづくりは今まさに第二のスタートを切ろうとしているのですね。最後に後輩たちに伝えたいメッセージなどはありますか?
龍神:
自分が模索している最中なので、そんなに偉そうなことは言えないのですが、「すべての選択を自分の意志で決めたほうがいいよ」ということですね。
人に言われて決断をするのが一番後悔します。僕の場合は中学から自分の意志で決めていることが人より多くて、例えば学校に行かないということも意思決定かもしれない。
ただ、悩んでいることもあって、自分の中のゴールの定義がまだ分からないんです。いろんな選択肢の中で最適な道を探しつづけています。
具体的な目標として、5年後27歳、600~1000万円は稼ぎたい。そしてそれ以上に稼ぎ方をこだわりたい。toCでは稼ぎたくなくて、市場で唯一の立場になっていきたい。
そういう意味では、今の仕事には満足しているがまだまだ自分の人生には満足していないですね。
古屋:
まだ22歳。目標はこれからもどんどん新しく見つかり、移り変わって行くと思いますが、必ずこれまでの経験が活きてくると思います。本日はありがとうございました!