2021年1月20日「卒後の状況から高校生の就職を考える」サマリーレポート

2021年1月20日19時から、Zoomを使用して、スクール・トゥ・ワーク主催「卒後の状況から高校生の就職を考える」が開催しました。

今回のオンラインセミナーには、メディア各社に加え、行政関係者、民間企業、学校教職員の方々を含め、40名以上の参加をいただきました。終了後のアンケートでは回答頂いた17名中なんと17名全員から「満足(5点満点中5点)」と回答をいただきました。

冒頭に、代表理事の古屋から本日の趣旨の説明やテーマの発議がありました。

「早活人材」の説明や、2021年の高校就職の状況の概況と、今が高校就職の転機であることについて話がありました。

また、高校卒就職後の大規模な状況調査のデータを基に、就職後の高校生の働き方、卒後のキャリアから高校就職のあり方、そして企業の高校生採用についての考察を行いました。

特に以下の4点についてデータをもとに語られました。

■高校就職者は「比べて選ぶ」ことが就職の仕組み的にできていない場合も多いため、2・3社比べて選択することで定着率やその後のキャリア状況が好転している。

■一人一社制自体というより、実は選考以前のプロセスに大きな問題がある。「一社だけしか選考を受けないため、一社だけを調べる」という指導をするのではなく、準備の段階で多くの会社に触れることで大きな効果が見られる。

■「勉強したくないから就職」等と決めつけをせず、高校生の就職意欲を理解し、支援することが重要である。また、企業側も高校生の意欲に応える教育投資ができているかを見直す必要がある。

■現状、採用企業はハローワークや先生と相談をして採用活動を進めているが、採用企業の半数近くは高校生と直接話せないことに課題意識を持っている。「一緒に働く人を選ぶ」仕組みを構築することが必要である。

講演を踏まえ、原 薫氏(株式会社メタルヒート取締役)、山下 峻氏(星槎国際高等学校 立川センター長)、田中 竜介氏(国際労働機関(ILO)プログラムオフィサー)の3名によるパネルディスカッションが行われました。

実際に高校生採用を行っている企業、生徒の就職支援を行っている学校、国際的に若年者雇用政策の検討や提言を行っている機関という、通常本音で語りあう機会のない3つの多様な観点から、高校就職の支援方法や今後の課題などの議論が行われました。

まず、「冒頭の講演を聞き一番心に残ったポイント」の共有として、田中氏からは「高校生の立場から、学んで選ぶという実感が重要であることがわかった」、山下氏からは「こうだろうという感覚をデータで可視化されたことで、進路指導に自信がついた」といった感想をいただきました。

また、原氏からは「早期離職者が非正規雇用者になる割合は3割とあるが、愛知県では景気が良い時のほうが非正規雇用になる方が多いと感じる。期間工などの額面の給料の高い仕事が増えるためだ」と現場での体験を踏まえた感想共有も。高校生は限定された情報のなかで就職先を決めている、という点について山下氏からは自校の取組として「学校行事の中で企業説明会に行く機会を作り、人生観や生き方を考え、選べるようになるための機会を設けている」と紹介もありました。

次に、キャリア形成にも様々な課題がある中で、「高校生の就職のアップデートすべき点」について議論を行いました。

原氏は、採用をする立場として、「ハローワークから学校に企業の印象を伝え、先生から生徒におすすめをするという間接的なやりとりをなくし、大人ではなく生徒自身と直接企業が話し選択するための機会を設けてほしい」との採用企業としての切実な思いが語られました。

山下氏は教員の目線から、「子どもたちの要望を聞きながら情報選択を行っているが、生徒が選択するための情報の取り方を見定めなければならない」という声もありました。

田中氏からは、世界での議論として「ディーセントワークの理念にあるように、仕事を自由に選択できる環境を作りつつ、完全雇用すなわち働きたいと思える人が働ける環境を整えるといったバランスをとることが重要。また、セカンドチャンスを望む人に生涯学習の機会を届けるなど、どれだけ平等な機会を持てるように支援するかを考えたい。」という意見があり、改めて現在の仕組みの良いところを残しつつ、アップデートが必要な部分もあるということ、そして「選ぶ」というキーワードの重要性を強く感じました。

最後に、コロナショックの中で懸念される点についての議論を行いました。

山下氏からは、「就職については、業種によって昨年より早く採用を終えている業種、スーパー・小売などもある。また、家庭の状況により進学が難しい家庭への対策を組むことが重要。固定概念に囚われず、コロナの中でも学校でできることを考えたい」という意見がありました。

原氏は、「大学卒採用が先行して行われるため、高校卒採用枠が激減する、あるいはなくなる製造業が増えることを懸念している。自動車業界にかかわらず景気が悪化しているため、地域の多くの企業が昨年よりも採用枠を減らす可能性が高い。また、愛知県でいうと車の生産の自動化により、部品工場の採用枠自体が減っているという構造的な問題にも直面しつつある」という話がありました。高校生の就職先が、製造業から大きく変化していないこともあり、高校就職の危機を感じさせられるコメントでした。

最後に田中氏からは、「公的な職業訓練がなされるような製造分野はオートメーションで代替可能な分野が多く、国際的にも危機感が高まっている。問題解決能力や、イノベーションを生み出す力などの仕事の未来の変化に耐えうる教育機会が高校生にも与えられる必要がある。ただもちろん、日本にはイノベーティブな中小企業が多くあるため、こうした企業を知ってもらうことやマッチングが重要になってくる。今後の社会で非常に重要になる若者という財産を公的な支援で救い、マッチング機能を強化して様々な情報にアクセスできるようにする必要がある。」との問題提起と意見がありました。

このように様々な問題が山積している中でも、若者が自ら企業を「比べて選ぶ」ことができるような体制ができているかを見直し、必要な支援や情報を届けることが重要であることを、改めて感じる議論でした。

その後の質疑応答やネットワーキングも大いに盛り上がり、終了後1時間以上にわたりグループに分かれて意見交換や議論が行われました。

 

【当日の感想(一部)】

◎データや統計など参考になるものが多く、数字を根拠に社会で変えていくべきことを客観的に伝えられる可能性が見えた有意義なものでした。全国の教育関係者の方に見てもらいたい数字だと思います。また色んな関係者の方がいてお話しできたことで学びの機会が多く得られ、新たに考えるべきキャリア教育のやり方を検討しようと思います。いつもありがとうございます。

◎ILOの田中さんのご登壇もとても新鮮で、世界の潮流をふまえたマクロの視点から「日本の高校生就職」をどう捉えることができるのか、示唆に富んだ内容だったと思います。

◎貴重な機会をいただき感謝します。別件で途中退席となりましたが、データに裏付けされた内容で非常に説得性がありました。社会や産業構造の変化がコロナ禍もあり特に顕著になってくることが必至です。その中で非大卒(早活)人材の現状等を知り、課題等も理解できました。研究会を通して感じたことは、当該高卒就職者の社会関係資本(つながり)格差もあるのではないかということ、同質性が高い仲間内という要因も関係しているのではないか。そして受け入れる企業側についても、最初の配属先や職種、そしてキャリアパス等の工夫も必要ではないかということです。このままではますます分断が加速していくようで何とかしないといけないと思いつつも、具体的な対策が思いつかないもどかしさを感じております。0-15才人口が減少していく日本において、この課題認識及び解決は大変重要です。

◎パネルディスカッションまでしか参加できませんでしたが、データとして客観的に示していただけたことで、生徒や教員への伝え方に自信を持てそうです。とはいえ、教員に伝えてもすぐにこれまでの慣例から外れることは難しいかと思いますので、探究の時間やインターンシップの事前事後学習等で生徒に向けて話していくことで、教員にも間接的に伝えていければと考えています。そして、私自身ものアンコンシャスバイアスを取り除く必要があると改めて感じました。

 

スクール・トゥ・ワークでは今後も早活人材のキャリア支援とともに、関連する情報発信や研究会等の開催を行ってまいります。

埼玉県立浦和高等学校(定時制)で授業を開催いたしました!

この度、学生及び早活人材[1]に対するキャリア教育事業等を行う一般社団法人スクール・トゥ・ワーク(所在地:東京都千代田区、代表理事:古屋 星斗)は、2020年10月1日、埼玉県立浦和高等学校定時制においてキャリア教育授業を実施いたしました。

多様なキャリアを歩んできた3名の若手社会人講師による自己紹介講演のあと、3つのグループに分かれてしごとに関する質問・対話を行いました。浦和高校定時制における授業は昨年度から引き続きの実施となっております。

その模様が浦和高校HPに掲載されております。こちらからご覧ください。

 

[1] 非大卒人材とも言われ、主に中学校卒、高等学校卒、専門学校卒、高等専門学校卒、短期大学卒や大学中退などの人材のこと

2020年3月5日「緊急開催!変わる!高校就職研究会」サマリーレポート

2020年3月5日東京・内幸町のTKP新橋カンファレンスセンターにおいて「緊急開催!変わる!高校就職研究会」を開催しました。今回の研究会では、コロナウイルス対策により、一般入場を中止し、オンライン配信による中継を行いました。なお、オンライン配信の模様については以下のアーカイブからご覧いただけます。

1.Facebook
 その1 https://bit.ly/2wEmhgO
 その2 https://bit.ly/2wEeeRj
2.Twitter
 その1 https://bit.ly/38CTeaB
 その2 https://bit.ly/2Iuxbsf
 その3 https://bit.ly/2ItkY75

冒頭で、スクール・トゥ・ワーク代表古屋星斗より、高校就職問題検討会議ワーキングチーム報告書についてのポイント解説がありました。

具体的な変化のポイント5つやいくつかの懸念点について話があり、特に「自身で学校推薦企業以外の企業に応募をした場合、学校が応募時に推薦企業に対して他の企業に応募している旨を通知する」ルールについてはその後のコメントなどでも生徒に対する著しい不利益を懸念する共感の声が上がっていました。

次に、有識者パネルディスカッションが行われました。まず、発議として株式会社アッテミー代表の吉田優子さんより、感想共有や論点提示が行われました。特に印象に残ったのが「今回の報告書の内容では、先生の負担は減らないのではないか」という指摘でした。高校生の就職を外部から支えているアッテミーさんならではの感想となりました。

有識者としては、株式会社ジンジブ代表取締役佐々木満秀さんと公立高校教員の新井晋太郎先生が登壇されました。

佐々木社長からは、民間サービスが切磋琢磨することで本当に高校生にとって必要な仕組みがこの社会に生まれてくる、という今回の報告書で触れられている学校推薦と自由応募の組み合わせが浸透していくことの意義についてお話がありました。佐々木社長はその分野の最前線で実践をなさっていることもあり、心に残る発言となりました。

新井先生のキャリア教育の実践の話、特に「選択の道を具体的に見せていくことで、生徒のやる気スイッチを押す」という話には共感が集まっていました。キャリア教育の実施によって、学業にも良い影響があったそうです。

最後に「早活人材が考える高校就職改革会議」が行われました。3人の早活人材、高校卒で就職した若手社会人が登壇し、当事者の目線から、高校就職がどうなっていくと良いかを議論しました。

富山県出身、学校推薦で富山の大企業に就職したあと辞職して今はITベンチャーで働く竹田さんからは、「これからの変わっていかざるをえない高校生にとって、自分がモデルになれることもたくさんあると思うので、自分の経験を還元していきたい」という話がありました。

ジンジブで働く好永さんは、この報告書を読んで「感動した」と言います。「高校卒で就職する際には、こんなに自分たちが求められているとは思わなかった。社会から見捨てられた存在なのかもと思った。でも今日のこのイベントで一生懸命話をしている人たちを見て、感動した」と、自分の体験から率直ですが、エネルギーのある言葉は聞いているすべての人の胸に火を灯したことでしょう。

スクール・トゥ・ワークの一員でもあり、キャリアコンサルタントとして最前線で働く森川さんからは大きな「構想」のお話が。「日本にいるキャリアコンサルタントが、かつての自分のような高校生の就職のサポートをしていくことができるプラットフォームを作りたい」。終了後、この話を聞いた方から声がかかり、早速企画ミーティングが開催されたようです。

スクール・トゥ・ワークでは、新しい時代に、早活人材をはじめとするすべての若者が、自分の力で自分の人生を決めていくことができる社会を目指して、引き続き活動を進めてまいります。

2020年2月4日「若者の学歴格差に関する研究会」サマリーレポート

2020年2月4日19時~日比谷公園図書館小ホールにおいて、スクール・トゥ・ワークが主催する「若者の学歴格差に関する研究会」が開催されました。

傍聴者には新聞、テレビ、ウェブメディア等のメディア各社に加え、国会議員、行政関係者、民間企業も多数列席するなど関心の広がりを伺うことができます。

まず冒頭に、代表の古屋から本日の趣旨や発議がありました。

古屋からは、非大卒を「早活人材」と呼び始めた経緯や、就職時、就職後、そして失業後に残る学歴格差について話がありました。昨今、医学部入試で女性であるという理由だけで不当に減点されていた事柄を踏まえ、「私たちは知らぬ間に早活人材だからという理由だけで、点数をマイナスしてはいないか」と問いかけたのが印象的でした。

続いて、大阪大学吉川徹教授より講演が行われました。「大卒社会の危うさを考える」というテーマで、各種のデータを元にしてどういった分断が生じているのか、無意識に行われている政策的差別について語られました。

特に、「学歴は関係がない、と言ってしまうのは嘘である」という意見には当事者からも賛同の気持ちが寄せられていました。何が違うのか、という点を確認したうえで先に進まなくてはならない。そんなメッセージを感じました。

また、政策的には例えば「育休推進」は期せずして大卒ホワイトカラーにしか恩恵が無い政策となっている、“同類婚”により子どもを一人生むための時間的な支援が必要な大卒カップルと二人目三人目を生むための高卒カップルへは経済的な支援が必要であり全く異なる、など非常に気付きの多い内容となりました。

講演を踏まえ、吉川教授と早活人材3名によるパネルディスカッションが行われました。

森川剛さん、渡邊健斗さん、工藤理世菜さんの3名がパネラーとなり、普段交わることのない大学教授とのディスカッションです。3名の実体験をもとに、学歴に対するそれぞれの思いや、この社会がどう変わったら大卒至上社会ではなくなるか、といった話がされました。

森川剛さんからは、キャリアコンサルタントの仕事をしていることから、『高校生にキャリアの下地』をという提言。かつて高校卒業後に努めた会社を退職後、お笑い芸人をしていた異色の経歴もあり、相方は東京大学法学部卒だったそう。「出会ったときは、うわ東大か!と思いましたが話してみたら全然普通でした」という話が印象的でした。

渡邊健斗さんは高卒新卒求人サービス「ジョブドラフト」の営業主任。何と会社歴代最高額のセールスレコードを持っている21歳(!)にして同社の営業のエースだそうです。渡邊さんからは高卒の就職制度を踏まえて『ルールと時期』が変われば高卒者はもっと活躍できる、と提言。そんな健斗さんは、むしろ「高卒である自分」を最大限活かしている、という早活人材であることをとても前向きに捉えるお話があり、多くの来場者がうなずいていました。

工藤理世菜さんからは、『やりたい!をもっと声を大にして、認めあう』。大学中退後、普段は大学生・高校生に教育支援を行う団体のスタッフをしながらも、大好きだったカメラの仕事を「やりたい!」と周りに言っているうちに副業としてしまった工藤さんらしい提言です。互いの話に耳を傾け、大卒だから高卒だから、で判断せず個として尊重する。そんなメッセージを感じました。

最後に、吉川教授から『大人社会が早活人材をリスペクト』と提起。まさに私たちは知らないからリスペクトしていないだけ。知れば知るほど、特定の分野で素晴らしい知見のある方、地域の中核を担う方も多いのが早活人材。そんな社会の風潮こそが問題の本質であると指摘する鋭い提言になりました。

そして、会場を代表して、早活人材の支援事業を行う4社の企業からの感想共有と「明日から自社・自分ができること」の発表。

株式会社ジンジブ 佐々木代表取締役、株式会社前人未到 牛島代表取締役社長、株式会社Spark 永田代表取締役社長、株式会社ZERO TALENT 木村代表取締役、4名の各社トップからの熱いメッセージが発せられました。特にジンジブの佐々木代表から、自分自身が大卒ではないことや、起業家に高卒者が多いことを踏まえ、「社会全体が大卒化していくことに意味はなく、いろいろな人間が力を尽くすことができる社会にしていくことが一番大事」と語られていたことは、今回の会で得たことから私たちが目指す社会の姿を表しているように思いました。

その後のネットワーキングも大いに盛り上がり、終了後約1時間にわたって会話が絶えることはありませんでした。

スクール・トゥ・ワークでは早活人材のキャリア支援とともに、大卒者と比較して非常に世間の関心やデータの蓄積、議論の熟度が低いことをふまえ、情報発信や研究会の開催を継続してまいります。

 

撮影:工藤理世菜

「早活人材コミュニティBonanza(ボナンザ)2019下期 〜早活人材ってなんだ〜」を開催いたしました!

この度、学生及び早活人材[1]に対するキャリア教育事業等を行う一般社団法人スクール・トゥ・ワーク(所在地:東京都千代田区、代表理事:古屋 星斗)は、2019年11月30日(土)に、株式会社UZUZ本社オフィスで、当団体が設立した「早活人材コミュニティBonanza(ボナンザ)」関連のイベントとして、「早活人材コミュニティBonanza(ボナンザ)2019下期 ~早活人材ってなんだ~」を開催いたしました。

本イベントでは、20代を中心とした社会人として働いている早活人材の方々にお集りいただき、グループ・ディスカッションや早活人材当事者の方々の親睦を深めるためのネットワーキングを行いました。

「早活人材あるある」では、「学歴が高卒というだけで褒められる」や「ブルーカラーの仕事に就いている人が多い」などの早活人材当事者ならではの意見が多く挙げられました。

また、本イベントでは、早活人材を対象としたマッチング・サービスなどを展開している民間企業様から動画による応援メッセージをいただきました。

<応援メッセージのご紹介(五十音順)>

1.株式会社ジンジブ様

皆さんこんにちは。高校生の就職を支援する事業「ジョブドラフト」を営んでおります、株式会社ジンジブの代表をしています佐々木です。

実は、私自身も、Bonanzaの皆さんと同じように、高校を出てすぐに就職をしました。

当初はダンプやトラックに乗って、ヤンチャな日々を過ごしていた訳ですが、あるベンチャー企業との出会いをきっかけに、23歳で営業という職種を経験しました。

その後、様々な勉強をさせていただいて、30歳で起業することになります。そこから、自分自身の力で会社を起し、22年目を迎えております。

私たちの時代においては、非常にキャリアというものに対しての考え方が固く、偏見を持たれていました。大卒と非大卒、この違いが圧倒的にあった時代を過ごしてきました。

そんな時代の経験もあって、私は、「ジョブドラフト」という、非大卒に対する応援をする事業を営んでおります。これからの時代においては、益々、学歴など関係なく、それぞれの個人個人が挑戦をして、大いに世界に羽ばたける時代になってくるのではないでしょうか。

皆さん自身が、皆さん自身の枠に収まらないようにして、ぜひこういったコミュニティを大事にして頑張っていってもらいたい。そのように思っております。

皆さん、頑張ってください。

株式会社ジンジブ様

会 社 名:株式会社ジンジブ
住  所:東京都港区浜松町2丁目7−19KDX浜松町ビル5階
     TEL:03-5777-2679 FAX:03-6821-3278
代 表 者:代表取締役社長 佐々木 満秀
事業概要:
 就職する高校生が学歴や偏見に捉われずに活躍できる社会創りのため、掲載数No.1の高校新卒専門求人メディアと国内最大級の合同企業説明会を運営しています。

 

2.株式会社ZERO TALENT様

株式会社ZERO TALENT 木村 瑠人

皆さんこんにちは。株式会社ZERO TALENTの代表をしております、木村瑠人と申します。見た目こんな感じなんですが、苗字は木村なので全然よそよそしくしていただかなくて大丈夫です(笑)。

我々ZERO TALENTというのは、どんな活動をしている会社なのかというと、元々弊社のグループ会社が、新卒のキャリア支援などをやっている会社でした。その中でも、学歴がないとか、過去の経歴がないというだけで、優良企業や大手企業に入れない人達をたくさん見てきたときに、そういう人達を支援するサービスがあってもいいんじゃないかということで立ち上げました。

実際に僕自身も、高校から大学2年生くらいまでずっとサッカーをやっていたんですが、やっぱり、スポーツをやっていた人達とかって僕の周りでもたくさんいて、プロになった人やプロを目指していたがなれなかった人達もたくさん見ていて、やっぱりその燃え尽き症候群じゃないですが、何かを頑張っていたけど、その先に進めなかったとなった時にそれをどういう風に仕事に結びつけるかというのはすごく必要だなと思っています。

特に非大卒の人達って、いろんな問題、家庭環境やお金だとか、大学に進学する意味が分からないだとかのいろんな理由で、今のキャリアに進んでいると思うんですが、そういった様々な理由に対して、差が出来るんではなく、今後の日本というのはどんな人でも活躍出来るような社会に、どんな人でも再びチャレンジ出来るような社会を創っていきたいと僕自身は思っています。

良い大学にいたとかテストの点が良かったとか、それもすごい重要なんですが、日本という国自体が、一度何かに失敗したり挫折したり、何かを辞めたり、早く会社を辞めちゃったというところに対して、すごくシビアな対応じゃないかなと批判ではないんですが個人的に思っています。

減点法というか、悪いところがあったらNG。ただ全部平均点くらい取れていたらOKみたいなところではなくて、もっと非大卒の人だとか過去の経歴や学歴に関係なく、ポテンシャルはあるけど活かせていない、もったいない人に対してどんどん支援したりだとか、キャリアの考え方を相談したりだとか、教えてあげたりだとかということを出来ればなと思っています。

やっぱりビジネスの世界に出たりだとか地元から出たりすると、同じ大学の人同士繋がっていたりだとか、同じ境遇の人や業界の人と繋がっていたりすると思うんですが、やっぱりそういう環境が少なかったりする人達もすごく多いと思うので、今回のこういう機会で皆さんが繋がっていたりだとかが出来ればいいんじゃないかなと思っています。

我々としてもどんな形であれ、皆さんのご支援が出来ればなと思っているので何かありましたら気軽にご連絡ください。

株式会社ZERO TALENT様

会 社 名:株式会社ZERO TALENT
住  所:東京都渋谷区道玄坂一丁目10番8号渋谷道玄坂東急ビル1F
     TEL:03-6277-5026
代 表 者:代表取締役 木村 瑠人
事業概要:
 非大卒(中卒・高卒・専門卒・短大卒・大学中退)でも学歴や職歴に関係なく、長期的な成長を見込める優良企業への就職を支援するサービスを提供しています。

 

3.株式会社前人未到様

株式会社前人未到 牛島  悟

イベントに参加の皆さん、こんにちは。株式会社前人未到の牛島と申します。

僕らは「サムライキャリア」という、中卒や高卒の方のキャリア支援をしている会社です。この事業をやろうと思ったキッカケは、僕自身が3ヶ月で高校を中退をしたという過去があって、その経験でいろんな辛いことがあったんですが、いろんな人の助けで、やったことの無かった勉強を自分でやり始めて、大検をとって大学へいったという過去の経験から、環境が変わればみんないろんな事にチャレンジできて、変われる人がいっぱいいると思っていて、そういう想いでいろんな方を支援したいなと思って始めた事業です。

実際に僕らがユーザーさんの支援をしている中で、こういう人になって欲しいなと思っている像を2つお話させてもらいたいと思います。

1つは、人間として成長すること。人の気持ちを理解したりだとか、自分の考えを言葉で伝えられる力をつけるだとか。仕事で活躍するとかではなくて、人間としてどれだけ成長出来ているかとかは、仕事以外の面でもすごく活きていくなと感じているので、人として成長するということを意識して欲しいなと思っています。

もう1つは、景気が不安定な世の中になっていく中で、自分にスキルをつけるということがすごく重要です。例えば、何か1つでいいので、自分はこれは出来るんだというものを作ってほしいなと思っています。営業もそうですし、マーケティングする力もそうだし、何でもいいので、1つだけそういうものを作っていただけると、これからのより良い人生が自分で作れていくのではないかなと思っています。

皆さんの未来が明るくなるように応援しております。

株式会社前人未到様

会 社 名:株式会社前人未到
住  所:東京都港区六本木7-15-7新六本木ビル803(SENQ六本木)
     TEL:03-6384-5944
代 表 者:代表取締役社長 牛島 悟
事業概要:
 キャリア新卒(中卒・高卒・専門卒など)の方々に向け、キャリアについて考えるきっかけを多方面から与える転職・就職支援サービスです。

 

今後も、当団体では、「早活人材コミュニティBonanza」によるイベントを定期的に開催して、早活人材当事者のキャリア意識の醸成を進めてまいります。

 

[1] 非大卒人材とも言われ、主に中学校卒、高等学校卒、専門学校卒、高等専門学校卒、短期大学卒や大学中退などの人材

ハッシャダイ×スクール・トゥ・ワーク公開イベント第1弾 「高卒人材の就職に関する有識者トークセッション」(その8)

2019年4月24日に開催された株式会社ハッシャダイと当団体のコラボイベント「高卒人材の就職に関する有識者トークセッション」の様子をレポートとしてまとめました。

今回のイベントでは、官公庁、学校の現場、ビジネスや非営利セクター等、各界の若手キーパーソンによるパネルディスカッションを通じ、もはや避けては通れない日本社会の大きな課題である「高卒就職」について議論を深めました。「高卒就職」について、公開の場で多面的に議論される機会は極めて稀。来られなかった方にもイベントレポートとしてシェアさせていただきます。なお、発言者名については敬称を省略して表記しております。

前回 ハッシャダイ×スクール・トゥ・ワーク公開イベント第1弾「高卒人材の就職に関する有識者トークセッション」(その7)

古屋
「一人一社制」の話については、皆さんも引っかかるところあるとは思いますが、いずれにしても、マッチングが行われる場が作られるという意味では、歴史に学びますと、新卒大卒マーケットができた理由というのも、単純に高度経済成長以降、企業のニーズがめちゃくちゃ増えたことによって、その場ができてきたんですよね。

結局、需要があってマーケットができるので、高卒人材をIT企業がもっと採用したいみたいな話が出てくると、それによって動くんじゃないかなという気がしています。

実はその、民間企業が高卒マーケット参入してみようかみたいな、そこに法規制ないのかみたいな議論が2002年か2003年の小泉内閣の時にされていてます。その時にリクルート社が厚生労働省の課長とディスカッションをしていて、その場で厚労省の課長が、法規制が全くないので自由に参入してくださいというふうに言っていることも事実なんです。ということで、高卒人材需要も歴史的な高さになってきていますから、ここにいらっしゃっている人材ビジネス関係の方はぜひ、参入していただいて、ハッシャダイみたいな会社と組んで、非大卒のマーケットを広げていただければなと、こういうことを言ってよろしいでしょうか(笑)。

鈴木
確かに法規制はないんです。ただいろんな人から聞くといろんなところでボタンの掛け違いが、実は地方で生まれているという話を聞きました。これはちょっと国全体のシステムでなければ法律でもなければ規制でもない。この「一人一社制」という申し合わせでできた仕組みが、独り歩きしている部分があるのかもしれない。それをどうしようかなというのがちょっと今の検討課題ですね。

会場質問者③
3月まで中学教員をしていたものです。今日はありがとうございました。最後の方の話で、鈴木さんのところで、研究調査によって若者、子供等が承認欲求とか役に立ちたいという気持ちが高いというのは、生徒を見ていても思うところなんですけど。

その後、それが世の中に出た時に搾取されているというふうにおっしゃられたと思うんですが、その搾取、何となくイメージは分かるのですが、具体的にこうというのがあれば何かこう、現実とのギャップとはまた違う搾取という言葉がそうかなと思ったので、何かあれば教えてください。

鈴木
端的な言葉で搾取と言ってしまいましたけど、要は給与だったり、それから福利厚生というものについて、はっきり言って高卒、まあ給与格差がありましたけれども、高卒の方の給与が相当低いと。ただ本当は商業高校だって工業高校だって専門高校の方は相当スキル持っているので、最近では研究者、研究開発者の高卒の子たちを採用しているというところもあるところはあるんですが、まだまだそういうのは一部で、なかなかそういうやる気のある子たちを単純労働の場に就かせて、ずっと長時間労働かつ低賃金というところがありまして。

何でこんなことを言うかというと、我々、中央省庁にはいろんな業界から陳情書というのが来るんですね。そういう陳情書は我々からすると怒り心頭になるような内容もあって、中小企業で、これだけの給与で働かせたいのになかなか我々の方に来ない、どうなっているんだ、お前らの学校教育が悪いんだ、ということを言っていて。

それってどれぐらいの賃金で働かせているのかって、ちょっとネットで調べてみると、やっぱり1,000円以下だったりですね。福利厚生どうなっているのかとかネットで調べてみると、土日出勤も結構あって、いろいろネットで噂が流れているようなところから、平然と労基法を無視したようなところで、高校生を就職させろという声も上がってきているというのを見ると、子供たちはやる気があって社会に出るわけですね。ところが現実はそういう状況なんだというところがあります。

就職先という意味では、私はそういうところは、様々な会社や職種に広げていく必要もあると思います。一つの製造業、一つの飲食業だけじゃなくて、いろんな職種に高校生が活用できるというところがあれば、今は価値観が多様化する時代と呼ばれていますし子供たちも様々な価値観を持っていますので、そういった子たちのやる気に受け入れる事ができる、ということができるんじゃないかなというふうに思っています。

そういう意味で、若い労働力を搾取しているとは単純には言いたくないんですけども、なかなかそういう現状が生々しく我々の耳に入ってくる、目に入ってくるというところがあります。そういう意味で、高校生の子たちを上手く活用できるような場というのを、世界を広げていくというところを社会にしてもらいたいというのが、我々学校サイドの、教育サイドの人間としての望みです。

古屋
ありがとうございます。何か雑に扱われてるみたいな状況という……。とある超大手の会社から、高卒の子が何と呼ばれているかというと「技能さん」と呼ばれているという。大卒の人は全く同じ職場でも名前で呼ばれるんですね。高卒の子は皆「技能さん」と呼ばれると。これはもう人権問題ですよね、本当言うとね。

「やりがい搾取」という言葉がありますけど、それ以外にもいろんなものがたぶん何か議論をしていかないといけないフェーズがあるんじゃないかと僕は思っていて。これだけ外国人を受け入れてまで、日本は人材不足になっているわけですから。そこの力もっと使いましょうよっていうのが、私の言いたいことでもあります。

会場質問者④
すみません、質問しようか凄く迷いながら、いろいろ話を聞きながら最後に意見を言いたいなと思いました。高校教員をしております。私が今いる高校は、偏差値で言うと70近く、全ての子が大学に向かうという子供たちを目の前にいつも国語の授業をやっています。それを見ていると、本当にハッシャダイさんのインターンに参加する高卒の方たちの、学ぶ姿勢ってすごくて。でも自己肯定感がすごく低くて。それに対して、いや君たちできるんだよ、言葉の力で人生変えられるんだよということを、たった2時間なんですけれども一回教育することによって、本当に1時間で目の色を変えて学ぶようになる。

本当に多様性のある子供たちが、可能性の無いまま放置されている現状というものが酷すぎる。私はいつも怒りを持っています。

そこで自分の意見を言って終わってしまうというところで、何の解決策も無いかもしれないんですけど、一点非常に私が危惧しているのが、教員の多様性の無さだと思っています。

教員免許を取れる人間っていうのは、ある程度学力があってある程度経済力があって、そしてもう一つ、高校時代にすでに教員になろうと決めた子しか教員免許は取りません。また、今、教育実習生と私面接してきたんですけれども、要はもう就職期間中に教育実習を選ぶ踏み絵を踏んだ子しか教員にはなれないんですよ。そういった免許制度といったもの。例えば勝山さんは中卒だけどこのまま高校生の教壇に立ったらすごく良い先生になると思うんですね。

そういったところで、私個人が何を言っても変わらないかもしれないですけれども、教員の多様性を担保するような政策、国の側に入っていらっしゃる方がいらっしゃるので、ぜひとも一意見として聞いていただければと思い、最後に手を挙げさせていただきました。どうもすみません。

古屋
ありがとうございます。最後に素晴らしい意見にて良い感じにしまったところで、本日はありがとうございました。

(拍手)