活動のきっかけ

私の出身地は岐阜県の多治見市。市の中心部から最も離れた土地で、小学校が30年前まではなかったような場所でした。

その分全校児童仲が良く、小学6年生だったとき、近所の下級生と手を繋いで登下校していました。山に秘密基地を作り、上級生に破壊された後、別の上級生が作り直してくれたこともあります。

そんな故郷で過ごした日々の後、私は典型的なお上りさんで、東京で働いています。ただ、いつもひとつの違和感を持っています。

それは自身が会話する相手の画一性です。元々、私のまわりには様々なバックグランドの友人・知人がいました。中卒で働いた後夜間高校へ通う者、高卒から専門学校へ行って美容師になっている者、18歳で結婚し30歳で4人の子どもを育てている者・・・
自分のキャリアパスを作っていく過程で、新しくできる友人・知人にこうしたバックグラウンドの人は減っていきました。

そしてどうやら、それは私の問題だけではないようなのです。ひとつ大きな例を挙げましょう。日本経済団体連合会という日本の財界を代表する組織があります。この経団連の幹部、つまり日本経済の柱石である副会長以上の20名弱の方々は、全員男性、全員60歳以上、全員サラリーマン出身、全員転職経験がない、という驚くべき“画一性”があります。

この文章を読んでくださっている皆様もお考え下さい。

大卒の方。常日頃連絡している人に18歳で働きだして年齢は一緒だけど社会人としては大先輩、という友人はいますか?
高卒の方。大学院に20も半ばまで通っていたような友人の結婚式に出席したことはありますか?
実はこの社会では、「格差」という言葉では表せないような、「分化と画一化」が同時に進んでいます。

私は、大学院時代に専門学校の授業に分け入って研究をしていた際に、自分がいかに専門学校について知らなかったのか痛感しました。

同様に、日本の教育政策、労働政策の中心を担っている人間のほとんどは、小学校-中学校-普通科高校-4年制大学のルート以外のキャリアパスを知ることがありません。

私は、今のキャリア教育政策は、一部の“大卒者向け”に過ぎないのではないか、という疑問を常々持っています。大学に通うことなく、社会に出ていく子どもたちに、この社会はキャリアについて考えるきっかけを提供できていないのではないか。

そして、若者同士の対話の中で、この「分化と画一化」に一石を投じられたら、人口減少社会日本における“金の卵”である、ひとりひとりの子どもたちがもっと輝けるのではないか・・・
こうした思いが、私がこの活動をはじめたきっかけです。

非大卒人材の状況

1世代あたりの大卒・非大卒人材の分布

 高卒就職者の離職率

キャリア教育事業

概要について

就職活動を終えた大学生・大学院生や就職後3年目までの若手社員がパートナー(講師)となって、中学生、高校生、専門学校生、高等専門学校生及び短期大学生に対して、キャリア教育を実施します。

パートナー(講師)の条件は、原則として、長期インターンシップを経るなどして就職活動を終えた大学生・大学院生や就職後3年目までの若手社員のうち、自己のキャリアを自分でデザインしている方としています。理由は、授業実施時に生徒との心理的な距離感を大事にしているためです。自分のキャリアについて真剣に考えた若者による、後輩たちに対するキャリア教育の授業を実施します。

パートナー(講師)応募は、以下のページよりご応募ください。

採用・研修について

パートナー(講師)への応募ですが、まずパートナー(講師)希望者は当団体の職員と面談をしていただきます。その後、一定水準以上の授業レベルを保つために、パートナー(講師)希望者には研修を受講していただきます。本研修は月に1回開催されており、座学、グループワークや模擬授業を予定しています。

授業について

授業開催までの流れ

当団体が、学校・自治体・教育委員会の方たちと調整したうえで、パートナー(講師)の方には、授業を実施する日時と場所をご連絡します。当日、パートナー(講師)は、学校にて、研修で学んだ授業をしていただきます。

授業カリキュラム・イメージ

授業を開催したい方へ

学校・自治体・教育委員会の方へ

キャリアづくりのトップノッチの若手パートナー(講師)による、”一緒に考える型”キャリア教育の授業を活用してみませんか?

昨今ますますキャリア教育が注目を集めるようになってきました。インターネットや交通が整備されることにより、全世界の人が場所を選ばず仕事ができるようになったためです。
これにより、いわゆる終身雇用は終わりを迎えようとしています。どんな人でも、好きな場所で、好きな仕事に就けるようになったのです。

学生たちは、学習指導要領にある通り「Zest for living~生きる力~」を養わなくてはなりません。その中には、<どのように生きていくのか / どのように生きていきたいのか>という「キャリアを選択する能力」が含まれています。

自身の生き方を自分で考えなければなりません。しかしながら、近年キャリアの理想像を見つけることが難しくなっています。情報が溢れかえり、取捨選択が難しくなっているからです。自らの将来に、希望ある夢を描けなくなっている学生も多く存在します。

こうした課題に対し、当団体は若手パートナーと“一緒に考える型”のキャリア教育で解決を図ります。教える-学ぶ、関係だけでなく、これからを一緒に考える。
キャリアに迷い、考え、行動、体験し、職業社会への移行の最前線にいる若手パートナーだからこそできる、きっかけ作りがあります。

独自の選抜基準を設け、経験、技量、資質全てが揃っているだけでなく、自身の経験からキャリア教育に対する情熱を持っている人材をパートナーとしています。研修や模擬授業はもちろんのこと、一回一回の授業を本気で取り組み、生徒と本音で語り合うことを通して、講師も人間として成長していきます。
学生の「キャリアに対する気づき」を創出する、それが私たちの授業です。

全ての生徒に届く、キャリア教育を

当団体がお力添えできることは、パートナーによる授業開催だけではありません。当団体に蓄積された情報や知見、スキルを使うことによって、御校のキャリア教育に対する新たな試みを応援します。
例えば、私たちはアドバイザーとともに、カードゲームでキャリアの目標設定と自分で決めることの大切さを疑似体験できる、そんな独自コンテンツを開発しました。

私たちは、若者の無限の可能性を信じ、キャリア教育に対して本気で取り組むという志と目的を同じくする協働を切に願っています。
ご興味・ご関心を持っていただけましたら、是非ともご連絡をいただけますと幸いです。

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