現在の早活人材の就業状況に社会的課題があると考える全ての人へ

この度、学生及び早活人材[1]に対するキャリア教育事業等を行う一般社団法人スクール・トゥ・ワーク(所在地:東京都千代田区、代表理事:古屋 星斗)は、文部科学省より発表された「学校基本調査」を早活人材の就業にかかるデータ集として再構成し、「スクール・トゥ・ワーク早活人材データ集2020」として情報発信いたします。

本データ集は、文部科学省より発表された「学校基本調査」を、主に長期推移をチェックすることで、早活人材の就業状況の実態変化や課題をあぶり出そうとしています。

本データ集は、1.高校卒就職者数(長期推移)、2.高校卒就職率(長期推移)、3.就職先の職業の推移、4.生産工程・建設従事者の割合(長期推移)、5.就職先の業種の推移、6.製造業就職者の割合(長期推移)、7.県外就職率(長期推移)、8.職業安定所又は学校を通じた就職割合(長期推移)から構成されています。

当団体は、本データ集により、高校卒就職者数はこの20年間安定的に推移しており、企業ニーズは今現在をもって大きいものの、就職先業職種は産業構造の変化と乖離した固定的な状況が続いており、高校卒就職者の活躍の余地は大きい状況にあると考えています。

若者の就業に関しては、文部科学省と厚生労働省等から統計資料が公開されています。当団体は、早活人材の就業状況にかかる議論の基礎となる情報を提供するために、2018年以来、「スクール・トゥ・ワーク早活人材データ集」として、複数の資料に断片的に掲載されている情報を再構成し、毎年データ集を情報発信しています。本データ集は、早活人材の就業状況に社会的課題があると考える方に、ご利用いただきたく考えております。

今後も当団体では、未来を生きる若者全てが安心・納得して働き、その意欲や能力を十分に発揮できる社会の実現を目指し、若者の就業状況にかかる情報を発信してまいります。

[1] 非大卒人材とも言われ、主に中学校卒、高等学校卒、専門学校卒、高等専門学校卒、短期大学卒や大学中退などの人材

 

スクール・トゥ・ワーク早活人材データ集2020

1.高校卒就職者数(長期推移)
1990年には60万人以上であったが2000年には20万人台に。その後は20年間20万人前後で推移

高校卒就職者数(長期推移)

出典:文部科学省,『学校基本調査』
※「就職者数」は1990年~2003年は「就職者」の数を、2004年~2019年は「就職者」+「一時的な仕事に就いた者」の数を、2020年は「就職者等」の数を集計している。

2.高校卒就職率(長期推移)
1990年には34.4%。その後2000年にかけて大学進学率向上により低下するが、2000年以降は17~20%で推移

高校卒就職率(長期推移)出典:文部科学省,『学校基本調査』
※ 「高校卒就職率」は1990年~2003年は「就職者」の数を、2004年~2019年は「就職者」+「一時的な仕事に就いた者」の数を、2020年は「就職者等」の数を集計し、卒業者数で除したもの

3.就職先の職業の推移
生産工程従事者が一貫して40%前後と最多。

就職先の職業の推移

出典:文部科学省,『学校基本調査』

4.生産工程・建設従事者の就職割合(長期推移)
多数を占める生産工程や建設従事者は1990年には34.0%だったが、2020年は44.5%と増加傾向。

生産工程・建設従事者の就職割合(長期推移)出典:文部科学省,『学校基本調査』
※ 生産工程従事者+建設・採掘従事者(2011年~2020年)と比較するものとして、生産工程・労務作業者(1999年~2010年)、技能工,採掘,製造・建設作業者及び労務作業者(1990年~1998年)を集計。

5.就職先の業種の推移
製造業が40%前後と一貫して最多。ほか、卸売業・小売業、建設業などが高い

就職先の業種の推移出典:文部科学省,『学校基本調査』

 6.製造業就職者の割合(長期推移)
1990年代は30%台で推移し、2002・2003年が31.5%と最小。2010年以降は40%前後で推移

製造業就職者の割合(長期推移)出典:文部科学省,『学校基本調査』

7.県外就職率(長期推移)
1990年は23.8%だがその後低下傾向。2010年以降は20%弱で安定的に推移

県外就職率(長期推移)出典:文部科学省,『学校基本調査』 

8.職業安定所又は学校を通じた就職割合(長期推移)
概ね80~90%と安定的に推移するが、リーマンショック期(2010年・2011年卒)のみ60%台に低下

職業安定所又は学校を通じた就職割合(長期推移)出典:文部科学省,『学校基本調査』

 

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