2020年3月5日「緊急開催!変わる!高校就職研究会」サマリーレポート

2020年3月5日東京・内幸町のTKP新橋カンファレンスセンターにおいて「緊急開催!変わる!高校就職研究会」を開催しました。今回の研究会では、コロナウイルス対策により、一般入場を中止し、オンライン配信による中継を行いました。なお、オンライン配信の模様については以下のアーカイブからご覧いただけます。

1.Facebook
 その1 https://bit.ly/2wEmhgO
 その2 https://bit.ly/2wEeeRj
2.Twitter
 その1 https://bit.ly/38CTeaB
 その2 https://bit.ly/2Iuxbsf
 その3 https://bit.ly/2ItkY75

冒頭で、スクール・トゥ・ワーク代表古屋星斗より、高校就職問題検討会議ワーキングチーム報告書についてのポイント解説がありました。

具体的な変化のポイント5つやいくつかの懸念点について話があり、特に「自身で学校推薦企業以外の企業に応募をした場合、学校が応募時に推薦企業に対して他の企業に応募している旨を通知する」ルールについてはその後のコメントなどでも生徒に対する著しい不利益を懸念する共感の声が上がっていました。

次に、有識者パネルディスカッションが行われました。まず、発議として株式会社アッテミー代表の吉田優子さんより、感想共有や論点提示が行われました。特に印象に残ったのが「今回の報告書の内容では、先生の負担は減らないのではないか」という指摘でした。高校生の就職を外部から支えているアッテミーさんならではの感想となりました。

有識者としては、株式会社ジンジブ代表取締役佐々木満秀さんと公立高校教員の新井晋太郎先生が登壇されました。

佐々木社長からは、民間サービスが切磋琢磨することで本当に高校生にとって必要な仕組みがこの社会に生まれてくる、という今回の報告書で触れられている学校推薦と自由応募の組み合わせが浸透していくことの意義についてお話がありました。佐々木社長はその分野の最前線で実践をなさっていることもあり、心に残る発言となりました。

新井先生のキャリア教育の実践の話、特に「選択の道を具体的に見せていくことで、生徒のやる気スイッチを押す」という話には共感が集まっていました。キャリア教育の実施によって、学業にも良い影響があったそうです。

最後に「早活人材が考える高校就職改革会議」が行われました。3人の早活人材、高校卒で就職した若手社会人が登壇し、当事者の目線から、高校就職がどうなっていくと良いかを議論しました。

富山県出身、学校推薦で富山の大企業に就職したあと辞職して今はITベンチャーで働く竹田さんからは、「これからの変わっていかざるをえない高校生にとって、自分がモデルになれることもたくさんあると思うので、自分の経験を還元していきたい」という話がありました。

ジンジブで働く好永さんは、この報告書を読んで「感動した」と言います。「高校卒で就職する際には、こんなに自分たちが求められているとは思わなかった。社会から見捨てられた存在なのかもと思った。でも今日のこのイベントで一生懸命話をしている人たちを見て、感動した」と、自分の体験から率直ですが、エネルギーのある言葉は聞いているすべての人の胸に火を灯したことでしょう。

スクール・トゥ・ワークの一員でもあり、キャリアコンサルタントとして最前線で働く森川さんからは大きな「構想」のお話が。「日本にいるキャリアコンサルタントが、かつての自分のような高校生の就職のサポートをしていくことができるプラットフォームを作りたい」。終了後、この話を聞いた方から声がかかり、早速企画ミーティングが開催されたようです。

スクール・トゥ・ワークでは、新しい時代に、早活人材をはじめとするすべての若者が、自分の力で自分の人生を決めていくことができる社会を目指して、引き続き活動を進めてまいります。

2020年2月4日「若者の学歴格差に関する研究会」サマリーレポート

2020年2月4日19時~日比谷公園図書館小ホールにおいて、スクール・トゥ・ワークが主催する「若者の学歴格差に関する研究会」が開催されました。

傍聴者には新聞、テレビ、ウェブメディア等のメディア各社に加え、国会議員、行政関係者、民間企業も多数列席するなど関心の広がりを伺うことができます。

まず冒頭に、代表の古屋から本日の趣旨や発議がありました。

古屋からは、非大卒を「早活人材」と呼び始めた経緯や、就職時、就職後、そして失業後に残る学歴格差について話がありました。昨今、医学部入試で女性であるという理由だけで不当に減点されていた事柄を踏まえ、「私たちは知らぬ間に早活人材だからという理由だけで、点数をマイナスしてはいないか」と問いかけたのが印象的でした。

続いて、大阪大学吉川徹教授より講演が行われました。「大卒社会の危うさを考える」というテーマで、各種のデータを元にしてどういった分断が生じているのか、無意識に行われている政策的差別について語られました。

特に、「学歴は関係がない、と言ってしまうのは嘘である」という意見には当事者からも賛同の気持ちが寄せられていました。何が違うのか、という点を確認したうえで先に進まなくてはならない。そんなメッセージを感じました。

また、政策的には例えば「育休推進」は期せずして大卒ホワイトカラーにしか恩恵が無い政策となっている、“同類婚”により子どもを一人生むための時間的な支援が必要な大卒カップルと二人目三人目を生むための高卒カップルへは経済的な支援が必要であり全く異なる、など非常に気付きの多い内容となりました。

講演を踏まえ、吉川教授と早活人材3名によるパネルディスカッションが行われました。

森川剛さん、渡邊健斗さん、工藤理世菜さんの3名がパネラーとなり、普段交わることのない大学教授とのディスカッションです。3名の実体験をもとに、学歴に対するそれぞれの思いや、この社会がどう変わったら大卒至上社会ではなくなるか、といった話がされました。

森川剛さんからは、キャリアコンサルタントの仕事をしていることから、『高校生にキャリアの下地』をという提言。かつて高校卒業後に努めた会社を退職後、お笑い芸人をしていた異色の経歴もあり、相方は東京大学法学部卒だったそう。「出会ったときは、うわ東大か!と思いましたが話してみたら全然普通でした」という話が印象的でした。

渡邊健斗さんは高卒新卒求人サービス「ジョブドラフト」の営業主任。何と会社歴代最高額のセールスレコードを持っている21歳(!)にして同社の営業のエースだそうです。渡邊さんからは高卒の就職制度を踏まえて『ルールと時期』が変われば高卒者はもっと活躍できる、と提言。そんな健斗さんは、むしろ「高卒である自分」を最大限活かしている、という早活人材であることをとても前向きに捉えるお話があり、多くの来場者がうなずいていました。

工藤理世菜さんからは、『やりたい!をもっと声を大にして、認めあう』。大学中退後、普段は大学生・高校生に教育支援を行う団体のスタッフをしながらも、大好きだったカメラの仕事を「やりたい!」と周りに言っているうちに副業としてしまった工藤さんらしい提言です。互いの話に耳を傾け、大卒だから高卒だから、で判断せず個として尊重する。そんなメッセージを感じました。

最後に、吉川教授から『大人社会が早活人材をリスペクト』と提起。まさに私たちは知らないからリスペクトしていないだけ。知れば知るほど、特定の分野で素晴らしい知見のある方、地域の中核を担う方も多いのが早活人材。そんな社会の風潮こそが問題の本質であると指摘する鋭い提言になりました。

そして、会場を代表して、早活人材の支援事業を行う4社の企業からの感想共有と「明日から自社・自分ができること」の発表。

株式会社ジンジブ 佐々木代表取締役、株式会社前人未到 牛島代表取締役社長、株式会社Spark 永田代表取締役社長、株式会社ZERO TALENT 木村代表取締役、4名の各社トップからの熱いメッセージが発せられました。特にジンジブの佐々木代表から、自分自身が大卒ではないことや、起業家に高卒者が多いことを踏まえ、「社会全体が大卒化していくことに意味はなく、いろいろな人間が力を尽くすことができる社会にしていくことが一番大事」と語られていたことは、今回の会で得たことから私たちが目指す社会の姿を表しているように思いました。

その後のネットワーキングも大いに盛り上がり、終了後約1時間にわたって会話が絶えることはありませんでした。

スクール・トゥ・ワークでは早活人材のキャリア支援とともに、大卒者と比較して非常に世間の関心やデータの蓄積、議論の熟度が低いことをふまえ、情報発信や研究会の開催を継続してまいります。

 

撮影:工藤理世菜

「早活人材コミュニティBonanza(ボナンザ)2019下期 〜早活人材ってなんだ〜」を開催いたしました!

この度、学生及び早活人材[1]に対するキャリア教育事業等を行う一般社団法人スクール・トゥ・ワーク(所在地:東京都千代田区、代表理事:古屋 星斗)は、2019年11月30日(土)に、株式会社UZUZ本社オフィスで、当団体が設立した「早活人材コミュニティBonanza(ボナンザ)」関連のイベントとして、「早活人材コミュニティBonanza(ボナンザ)2019下期 ~早活人材ってなんだ~」を開催いたしました。

本イベントでは、20代を中心とした社会人として働いている早活人材の方々にお集りいただき、グループ・ディスカッションや早活人材当事者の方々の親睦を深めるためのネットワーキングを行いました。

「早活人材あるある」では、「学歴が高卒というだけで褒められる」や「ブルーカラーの仕事に就いている人が多い」などの早活人材当事者ならではの意見が多く挙げられました。

また、本イベントでは、早活人材を対象としたマッチング・サービスなどを展開している民間企業様から動画による応援メッセージをいただきました。

<応援メッセージのご紹介(五十音順)>

1.株式会社ジンジブ様

皆さんこんにちは。高校生の就職を支援する事業「ジョブドラフト」を営んでおります、株式会社ジンジブの代表をしています佐々木です。

実は、私自身も、Bonanzaの皆さんと同じように、高校を出てすぐに就職をしました。

当初はダンプやトラックに乗って、ヤンチャな日々を過ごしていた訳ですが、あるベンチャー企業との出会いをきっかけに、23歳で営業という職種を経験しました。

その後、様々な勉強をさせていただいて、30歳で起業することになります。そこから、自分自身の力で会社を起し、22年目を迎えております。

私たちの時代においては、非常にキャリアというものに対しての考え方が固く、偏見を持たれていました。大卒と非大卒、この違いが圧倒的にあった時代を過ごしてきました。

そんな時代の経験もあって、私は、「ジョブドラフト」という、非大卒に対する応援をする事業を営んでおります。これからの時代においては、益々、学歴など関係なく、それぞれの個人個人が挑戦をして、大いに世界に羽ばたける時代になってくるのではないでしょうか。

皆さん自身が、皆さん自身の枠に収まらないようにして、ぜひこういったコミュニティを大事にして頑張っていってもらいたい。そのように思っております。

皆さん、頑張ってください。

株式会社ジンジブ様

会 社 名:株式会社ジンジブ
住  所:東京都港区浜松町2丁目7−19KDX浜松町ビル5階
     TEL:03-5777-2679 FAX:03-6821-3278
代 表 者:代表取締役社長 佐々木 満秀
事業概要:
 就職する高校生が学歴や偏見に捉われずに活躍できる社会創りのため、掲載数No.1の高校新卒専門求人メディアと国内最大級の合同企業説明会を運営しています。

 

2.株式会社ZERO TALENT様

株式会社ZERO TALENT 木村 瑠人

皆さんこんにちは。株式会社ZERO TALENTの代表をしております、木村瑠人と申します。見た目こんな感じなんですが、苗字は木村なので全然よそよそしくしていただかなくて大丈夫です(笑)。

我々ZERO TALENTというのは、どんな活動をしている会社なのかというと、元々弊社のグループ会社が、新卒のキャリア支援などをやっている会社でした。その中でも、学歴がないとか、過去の経歴がないというだけで、優良企業や大手企業に入れない人達をたくさん見てきたときに、そういう人達を支援するサービスがあってもいいんじゃないかということで立ち上げました。

実際に僕自身も、高校から大学2年生くらいまでずっとサッカーをやっていたんですが、やっぱり、スポーツをやっていた人達とかって僕の周りでもたくさんいて、プロになった人やプロを目指していたがなれなかった人達もたくさん見ていて、やっぱりその燃え尽き症候群じゃないですが、何かを頑張っていたけど、その先に進めなかったとなった時にそれをどういう風に仕事に結びつけるかというのはすごく必要だなと思っています。

特に非大卒の人達って、いろんな問題、家庭環境やお金だとか、大学に進学する意味が分からないだとかのいろんな理由で、今のキャリアに進んでいると思うんですが、そういった様々な理由に対して、差が出来るんではなく、今後の日本というのはどんな人でも活躍出来るような社会に、どんな人でも再びチャレンジ出来るような社会を創っていきたいと僕自身は思っています。

良い大学にいたとかテストの点が良かったとか、それもすごい重要なんですが、日本という国自体が、一度何かに失敗したり挫折したり、何かを辞めたり、早く会社を辞めちゃったというところに対して、すごくシビアな対応じゃないかなと批判ではないんですが個人的に思っています。

減点法というか、悪いところがあったらNG。ただ全部平均点くらい取れていたらOKみたいなところではなくて、もっと非大卒の人だとか過去の経歴や学歴に関係なく、ポテンシャルはあるけど活かせていない、もったいない人に対してどんどん支援したりだとか、キャリアの考え方を相談したりだとか、教えてあげたりだとかということを出来ればなと思っています。

やっぱりビジネスの世界に出たりだとか地元から出たりすると、同じ大学の人同士繋がっていたりだとか、同じ境遇の人や業界の人と繋がっていたりすると思うんですが、やっぱりそういう環境が少なかったりする人達もすごく多いと思うので、今回のこういう機会で皆さんが繋がっていたりだとかが出来ればいいんじゃないかなと思っています。

我々としてもどんな形であれ、皆さんのご支援が出来ればなと思っているので何かありましたら気軽にご連絡ください。

株式会社ZERO TALENT様

会 社 名:株式会社ZERO TALENT
住  所:東京都渋谷区道玄坂一丁目10番8号渋谷道玄坂東急ビル1F
     TEL:03-6277-5026
代 表 者:代表取締役 木村 瑠人
事業概要:
 非大卒(中卒・高卒・専門卒・短大卒・大学中退)でも学歴や職歴に関係なく、長期的な成長を見込める優良企業への就職を支援するサービスを提供しています。

 

3.株式会社前人未到様

株式会社前人未到 牛島  悟

イベントに参加の皆さん、こんにちは。株式会社前人未到の牛島と申します。

僕らは「サムライキャリア」という、中卒や高卒の方のキャリア支援をしている会社です。この事業をやろうと思ったキッカケは、僕自身が3ヶ月で高校を中退をしたという過去があって、その経験でいろんな辛いことがあったんですが、いろんな人の助けで、やったことの無かった勉強を自分でやり始めて、大検をとって大学へいったという過去の経験から、環境が変わればみんないろんな事にチャレンジできて、変われる人がいっぱいいると思っていて、そういう想いでいろんな方を支援したいなと思って始めた事業です。

実際に僕らがユーザーさんの支援をしている中で、こういう人になって欲しいなと思っている像を2つお話させてもらいたいと思います。

1つは、人間として成長すること。人の気持ちを理解したりだとか、自分の考えを言葉で伝えられる力をつけるだとか。仕事で活躍するとかではなくて、人間としてどれだけ成長出来ているかとかは、仕事以外の面でもすごく活きていくなと感じているので、人として成長するということを意識して欲しいなと思っています。

もう1つは、景気が不安定な世の中になっていく中で、自分にスキルをつけるということがすごく重要です。例えば、何か1つでいいので、自分はこれは出来るんだというものを作ってほしいなと思っています。営業もそうですし、マーケティングする力もそうだし、何でもいいので、1つだけそういうものを作っていただけると、これからのより良い人生が自分で作れていくのではないかなと思っています。

皆さんの未来が明るくなるように応援しております。

株式会社前人未到様

会 社 名:株式会社前人未到
住  所:東京都港区六本木7-15-7新六本木ビル803(SENQ六本木)
     TEL:03-6384-5944
代 表 者:代表取締役社長 牛島 悟
事業概要:
 キャリア新卒(中卒・高卒・専門卒など)の方々に向け、キャリアについて考えるきっかけを多方面から与える転職・就職支援サービスです。

 

今後も、当団体では、「早活人材コミュニティBonanza」によるイベントを定期的に開催して、早活人材当事者のキャリア意識の醸成を進めてまいります。

 

[1] 非大卒人材とも言われ、主に中学校卒、高等学校卒、専門学校卒、高等専門学校卒、短期大学卒や大学中退などの人材

ハッシャダイ×スクール・トゥ・ワーク公開イベント第1弾 「高卒人材の就職に関する有識者トークセッション」(その8)

2019年4月24日に開催された株式会社ハッシャダイと当団体のコラボイベント「高卒人材の就職に関する有識者トークセッション」の様子をレポートとしてまとめました。

今回のイベントでは、官公庁、学校の現場、ビジネスや非営利セクター等、各界の若手キーパーソンによるパネルディスカッションを通じ、もはや避けては通れない日本社会の大きな課題である「高卒就職」について議論を深めました。「高卒就職」について、公開の場で多面的に議論される機会は極めて稀。来られなかった方にもイベントレポートとしてシェアさせていただきます。なお、発言者名については敬称を省略して表記しております。

前回 ハッシャダイ×スクール・トゥ・ワーク公開イベント第1弾「高卒人材の就職に関する有識者トークセッション」(その7)

古屋
「一人一社制」の話については、皆さんも引っかかるところあるとは思いますが、いずれにしても、マッチングが行われる場が作られるという意味では、歴史に学びますと、新卒大卒マーケットができた理由というのも、単純に高度経済成長以降、企業のニーズがめちゃくちゃ増えたことによって、その場ができてきたんですよね。

結局、需要があってマーケットができるので、高卒人材をIT企業がもっと採用したいみたいな話が出てくると、それによって動くんじゃないかなという気がしています。

実はその、民間企業が高卒マーケット参入してみようかみたいな、そこに法規制ないのかみたいな議論が2002年か2003年の小泉内閣の時にされていてます。その時にリクルート社が厚生労働省の課長とディスカッションをしていて、その場で厚労省の課長が、法規制が全くないので自由に参入してくださいというふうに言っていることも事実なんです。ということで、高卒人材需要も歴史的な高さになってきていますから、ここにいらっしゃっている人材ビジネス関係の方はぜひ、参入していただいて、ハッシャダイみたいな会社と組んで、非大卒のマーケットを広げていただければなと、こういうことを言ってよろしいでしょうか(笑)。

鈴木
確かに法規制はないんです。ただいろんな人から聞くといろんなところでボタンの掛け違いが、実は地方で生まれているという話を聞きました。これはちょっと国全体のシステムでなければ法律でもなければ規制でもない。この「一人一社制」という申し合わせでできた仕組みが、独り歩きしている部分があるのかもしれない。それをどうしようかなというのがちょっと今の検討課題ですね。

会場質問者③
3月まで中学教員をしていたものです。今日はありがとうございました。最後の方の話で、鈴木さんのところで、研究調査によって若者、子供等が承認欲求とか役に立ちたいという気持ちが高いというのは、生徒を見ていても思うところなんですけど。

その後、それが世の中に出た時に搾取されているというふうにおっしゃられたと思うんですが、その搾取、何となくイメージは分かるのですが、具体的にこうというのがあれば何かこう、現実とのギャップとはまた違う搾取という言葉がそうかなと思ったので、何かあれば教えてください。

鈴木
端的な言葉で搾取と言ってしまいましたけど、要は給与だったり、それから福利厚生というものについて、はっきり言って高卒、まあ給与格差がありましたけれども、高卒の方の給与が相当低いと。ただ本当は商業高校だって工業高校だって専門高校の方は相当スキル持っているので、最近では研究者、研究開発者の高卒の子たちを採用しているというところもあるところはあるんですが、まだまだそういうのは一部で、なかなかそういうやる気のある子たちを単純労働の場に就かせて、ずっと長時間労働かつ低賃金というところがありまして。

何でこんなことを言うかというと、我々、中央省庁にはいろんな業界から陳情書というのが来るんですね。そういう陳情書は我々からすると怒り心頭になるような内容もあって、中小企業で、これだけの給与で働かせたいのになかなか我々の方に来ない、どうなっているんだ、お前らの学校教育が悪いんだ、ということを言っていて。

それってどれぐらいの賃金で働かせているのかって、ちょっとネットで調べてみると、やっぱり1,000円以下だったりですね。福利厚生どうなっているのかとかネットで調べてみると、土日出勤も結構あって、いろいろネットで噂が流れているようなところから、平然と労基法を無視したようなところで、高校生を就職させろという声も上がってきているというのを見ると、子供たちはやる気があって社会に出るわけですね。ところが現実はそういう状況なんだというところがあります。

就職先という意味では、私はそういうところは、様々な会社や職種に広げていく必要もあると思います。一つの製造業、一つの飲食業だけじゃなくて、いろんな職種に高校生が活用できるというところがあれば、今は価値観が多様化する時代と呼ばれていますし子供たちも様々な価値観を持っていますので、そういった子たちのやる気に受け入れる事ができる、ということができるんじゃないかなというふうに思っています。

そういう意味で、若い労働力を搾取しているとは単純には言いたくないんですけども、なかなかそういう現状が生々しく我々の耳に入ってくる、目に入ってくるというところがあります。そういう意味で、高校生の子たちを上手く活用できるような場というのを、世界を広げていくというところを社会にしてもらいたいというのが、我々学校サイドの、教育サイドの人間としての望みです。

古屋
ありがとうございます。何か雑に扱われてるみたいな状況という……。とある超大手の会社から、高卒の子が何と呼ばれているかというと「技能さん」と呼ばれているという。大卒の人は全く同じ職場でも名前で呼ばれるんですね。高卒の子は皆「技能さん」と呼ばれると。これはもう人権問題ですよね、本当言うとね。

「やりがい搾取」という言葉がありますけど、それ以外にもいろんなものがたぶん何か議論をしていかないといけないフェーズがあるんじゃないかと僕は思っていて。これだけ外国人を受け入れてまで、日本は人材不足になっているわけですから。そこの力もっと使いましょうよっていうのが、私の言いたいことでもあります。

会場質問者④
すみません、質問しようか凄く迷いながら、いろいろ話を聞きながら最後に意見を言いたいなと思いました。高校教員をしております。私が今いる高校は、偏差値で言うと70近く、全ての子が大学に向かうという子供たちを目の前にいつも国語の授業をやっています。それを見ていると、本当にハッシャダイさんのインターンに参加する高卒の方たちの、学ぶ姿勢ってすごくて。でも自己肯定感がすごく低くて。それに対して、いや君たちできるんだよ、言葉の力で人生変えられるんだよということを、たった2時間なんですけれども一回教育することによって、本当に1時間で目の色を変えて学ぶようになる。

本当に多様性のある子供たちが、可能性の無いまま放置されている現状というものが酷すぎる。私はいつも怒りを持っています。

そこで自分の意見を言って終わってしまうというところで、何の解決策も無いかもしれないんですけど、一点非常に私が危惧しているのが、教員の多様性の無さだと思っています。

教員免許を取れる人間っていうのは、ある程度学力があってある程度経済力があって、そしてもう一つ、高校時代にすでに教員になろうと決めた子しか教員免許は取りません。また、今、教育実習生と私面接してきたんですけれども、要はもう就職期間中に教育実習を選ぶ踏み絵を踏んだ子しか教員にはなれないんですよ。そういった免許制度といったもの。例えば勝山さんは中卒だけどこのまま高校生の教壇に立ったらすごく良い先生になると思うんですね。

そういったところで、私個人が何を言っても変わらないかもしれないですけれども、教員の多様性を担保するような政策、国の側に入っていらっしゃる方がいらっしゃるので、ぜひとも一意見として聞いていただければと思い、最後に手を挙げさせていただきました。どうもすみません。

古屋
ありがとうございます。最後に素晴らしい意見にて良い感じにしまったところで、本日はありがとうございました。

(拍手)

ハッシャダイ×スクール・トゥ・ワーク公開イベント第1弾 「高卒人材の就職に関する有識者トークセッション」(その7)

2019年4月24日に開催された株式会社ハッシャダイと当団体のコラボイベント「高卒人材の就職に関する有識者トークセッション」の様子をレポートとしてまとめました。

今回のイベントでは、官公庁、学校の現場、ビジネスや非営利セクター等、各界の若手キーパーソンによるパネルディスカッションを通じ、もはや避けては通れない日本社会の大きな課題である「高卒就職」について議論を深めました。「高卒就職」について、公開の場で多面的に議論される機会は極めて稀。来られなかった方にもイベントレポートとしてシェアさせていただきます。なお、発言者名については敬称を省略して表記しております。

前回 ハッシャダイ×スクール・トゥ・ワーク公開イベント第1弾「高卒人材の就職に関する有識者トークセッション」(その6)

古屋
そうですね、採用ですね。自信が無いという話がありましたけど、そもそも日本の大きな会社の人事というのは、人間の評価がそもそも苦手なんですよね。日本的雇用慣行の中では、別に個人個人を見る必要は無いんですよ、一切。何を見ているかというと年次です。入社年次だけを見て、配属を決めればいいんですよ。ですからグローバル目線だと、日本の会社は「評価するという機能」がそもそも弱いと言われているんですね。その最たるものが「面接」での選考。その最先端にあるのがこの「学歴問題」だと私は思っています。

ということでちょっと、会場の皆さんの主張も聞きたいですし、質問のある方は挙手制で参りましょう。

会場質問者①
新井先生に特に質問したいなと思います。私の問題意識の背景と質問したいことをお話しできればと思います。

普段私は、大学の進路選択をもうちょっと解像度を上げてできるように、つまり、法学部って何となく選ぶとか、経済学部って何となく選ぶのじゃではなくてもっと理解度を上げた状態で進路選択すれば、もっと納得いく進路選択ができ、より良い意思決定というものができるようになるのではないか、というのをコンセプトに事業をやっています。

やっぱり現場に入って見ていると、意思決定できる環境がある子だけが大学とかにしっかり行けるかなというように思うんですね。一方で、新井先生がたぶん見られている現場というのは、例えば親がどうしても支援をしてくれないからだとか、自分で決めるしかないから、逆に、何か簡単に意思決定ができると言いますか。簡単と言うよりかは、頑張ってこういうふうにやるしかないから僕はこれをするんだって覚悟があってできる。親もそれを止めないというのがあるから意思決定ができる一方で、たぶんできない何かががんじがらめになっている子たちもいるんじゃないかなと思うんですよ。

私の目にはあまりそれが見えていないんですよね、普段の現場だと。現場で生徒とかにお話しをする時に、この子って凄いがんじがらめになっているなだとか。そういう生徒さんが一歩踏み出すためには、どういうような要素があったら前に進めるのかをお聞きしたいです。

新井
そうですね……。今、接している子たちは経済的な理由で進学の選択ができない子がほとんどなんですよね。自立しなきゃいけないって意識がたぶん強いですね。とにかく働かなきゃいけないという状況にあるので。例えば、清掃業やりたいとか、宅配業やってみたいとか、結構、具体的にポンポン出てきています。

逆にあんまり言えない子というのは、ちょっとやっぱり親の束縛があるとかはしますかね。あとはそもそも何も考えていない子とか、自信が無い子とかがそういうのに踏み出せるように、私は社会人の方を招いています。

やっぱり人間って結構、身の回りの人にめちゃめちゃ影響受けるじゃないですか。自分なんかも、父親が短大卒で、母親が高卒なんですけど、兄貴がむちゃくちゃ頭良くて。塾行かなくても中学で一番頭良くて、進学校入って、東北大学一本で、現役で受かって行っちゃったんですよね。そういうのもいたから、自分もそうならなきゃいけないとか、やりたいと思って。今接している子たちとは逆なんで。逆にロールモデルを示すと、親御さんが片方しかいなくてパートタイマーだったり、いろいろあるんですけど。

基本的に教えている子たちって、ほぼ教員にならないじゃないですか。教員になる子たぶん1%以下だと思うんですよね。だから、僕らはロールモデルになり得ないんじゃないかなと思うので、生で働いている人に来てもらって、ロールモデルになってもらうと、こういう道もあるんだなと思うことで一歩踏み出せるのかなというふうに僕は思っています。

勝山
僕もいいですか。僕の周りでもたくさんいるんですけど、これ解決できるのかできないのかというと、正直言うと、家庭の事情だから解決できないかもしれないよねと思っていることなんです。

周りに中卒、少年院に入っている子たちが結構いるんですけど。少年院の友達の子が出てきて「俺、高校通いたい」というのをお父さんに言った時に、お父さんは「何言ってんのお前。俺、中卒で親方やってきたんやから、お前もそれで行けるねんから、高校なんか行くな」と言う親が結構多かったりするんです。「俺がこうやったから、お前らもこうやって生きろ」と言う人、めっちゃ見てきたんですよ僕。

それによって、自分がやってみたいとか、こういうことやってみたいって思ったとしても、親に全部阻止されてしまうというのを、いろんなところで見ています。そうなった時に、じゃあ何か、親以外の情報とか、それこそ学校でいろんな進路選択ができるような環境があれば、その子が親というしがらみから抜け出して一歩を踏み出すこともできるんじゃないかなと思ったりしています。

会場質問者①
はい、ありがとうございます。もう一回だけご質問したいんですが、今そういう人が目の前にいた時に、勝山さんだったらどういうふうに声を掛けたり行動したりしますか。

勝山
それこそ面白いことしている子が一人いるんです。その子、僕と同い年なんですけど、少年院に入ったりいろいろして、親からも地元出るなとか、お前もとび職で親方になれって言われてたヤツなんです。

「一回海外行ってこいよ」と言って、「カンボジアとか行ってきたらどうなん」と言ったら12月にカンボジアに行ったんですよ。今、何しているかというと、カンボジアで屋台やっているんですよ。

「めっちゃ人生おもろいわ」と言って、Twitterで見たら日本料理を屋台でやってるらしいんです。またちょっと違う選択の仕方なんですけど、今人生超楽しいと言ってて。

ということで、僕はそういう人には、一回カンボジアとか日本と違うところ一回行ってみたらどうなのと言っています。それでめっちゃワクワクしてるし面白いわみたいなこと言って働いている子がいますね。

会場質問者②
キャリアバイトのサービスで、長期インターンの支援を行っているのと、あと、僕自身が地方出身で高校中退して、大学に行って社会人になったので、ハッシャダイさんの授業聞けるのもすごい興味があって、それで参加させていただきました。

一つ皆様にお聞きしたいのが、ちょっと時代の流れとかもあって、22春卒の大学生から数年単位で拡大するというのと、2022年から成年年齢の引き下げというのがあると思うんですけど、課題感もある高卒で就職する人が、「一人一社制」というところのブレイクスルーになり得るものって何なのかっていうところをお伺いしたいです。

米山
そうですね、ありがとうございます。まず、事実として申し上げると、通年採用という方針が報道でも出てますけど、それほど急激には広がらないと思います。

経団連のやつとかも、ちゃんと読むと、これは「卒後通年」という、つまり、通年って本当にいつでもじゃなくて、卒業後でも取りましょうよ、なんです。これはこれで凄い良いと思うんですけど、やっぱり全体としてのパーセンテージがどこまで出るかというと、最悪卒後収入が無い状況というのを許容できるかというところもあるので。事実上のパーセンテージがそんなに増えるかというとそんなに増えないと思います。

僕個人としてはその、3月6月というルールの関係では、当然ながら目安としては非常に必要なものだと思っていますし、一括採用というものの評価としては、正に20代の失業率が日本はかなり低いと。ヨーロッパとかよりかなり低いところも含めて、かなりポジティブに評価しなければいけないところはあると思いつつも、さっき言ったように、どっちかと言うと本当に、インターンという名の下で説明会が行われていたりとかで、実際かなりマッチングとして有効なインターンとかというのが、使われている度合いがまだ低いというので非常に問題意識を持っています。その辺りを3月6月というルールとの関係でもうちょっと整理したいなというふうに思っています。特にこの世界は、裏で行われていることと表の建前っていうのがちょっとズレてきているというのが結構あると思うので、そこの整理も含めてやりたいなとは思っているのが現状としてあります。

正にそういう動きというのが、社会全体としてある程度インターンってもっと必要だよなという声が結構出てきているんです。僕も本当驚いていますけど。その中で本当に必要に迫られてというか、起こっているというのが僕の思っているところで。高卒のところでも同じことが起こる、起こり得る状況にはなっていると思うんです。つまり、さっき鈴木さんからも現状をお話しいただきましたけれども、やっぱり一人の生徒にいろんなオファーが届き始めているというのが現状としてあって。要するに選ぼうと思えば選べるという状況はあると思います。それがどこまで広がるかというところで、というのがブレイクスルーになり得るのかなと思いますね。

鈴木
「一人一社」と成年齢引き下げの話がありましたが、成人年齢引き下げの話になりますと、高校3年生で成人が達成しますので、実は親の束縛無しに就職しようと思えばできるということになっているんですね。ただ、高校生なんですよ、そこは。高校というカテゴリーに入っているというところがあって、やはりそこは進路指導を行っている先生たちがいるし、日々の学業があると。

大学生と高校生でどうしても違うなというのが、高校生は3年間きっちりとしたカリキュラムを全うするんですね。まあ大学生がしてないというわけじゃないんですけど、大学生は単位制というところもあって、大学2年生である程度就職活動ができたりとかというところもあるんですが、高校生の場合3年生までカリキュラムを全うしなければならない、そうしないとやっぱり世に出るのはちょっと難しくなってくるというところがあるので、それを行いながら進路指導というか、就職活動も行うというところに実は「一人一社制」のキーワードがあります。

「一人一社制」、要は一種の予定調和の中で行われているシステムなんですね。企業側も面接の回数を減らしたい、一回で終わらせたい。学校側も就職する子を生み出したいというところのwin-winで。実は厚生労働省と文科省で去年の春から調査したところ、企業側からも学校側からも8割は前向きに捉えられているシステムという事になってはいるんです。

じゃあ生徒、もしくは就職した子たちがどう思っているかというのは、これから調査をしていかなきゃなというところはあるんですけども。そのメリット・デメリットについて、例えば地方で就職をするということは、新井先生もおっしゃってましたけど、親御さんのですね、声が相当大きいんです。学校側も親御さんに対して相当遠慮しますし、それが本人の声なのか親御さんの声なのかというのは、そこら辺はそんなに踏み入れられないという学校側の弱さというところもあると思います。そういったところも「一人一社制」の数字になっちゃっていると。

ただ、自由に就職して自由に転職してという、考え方からすると、何だこの制度は、と。まるで許嫁がある昔の結婚のようなシステムじゃないか、と。確かに古臭く見えるところがある、そういった社会システムというのをどうやってブレイクスルーしていくかというところではあると思います。

ただ、マッチングは上手くいっているので、その後の3年後の離職率4割というのが、高いか低いかというところについても、実はあまりきちんとした研究者が現われてきていないというところが現状です。この4割という中身が問題ですね。なぜ3年間で辞めていくかというと、やっぱり中小企業に勤めていますので、人間関係が狭い。なので、どうしてもその狭い中での人間関係に耐えられなくて辞めるという子たちが結構多い。一方で、やっぱり若いですから、次のステップに行きたいという子も何割かいるというところもあり、清濁あるというのが実情。というのは進路指導の先生方の集まりの中で言われている。

ですが、この4割、離職率というのはどういったものを受けて皆さんも考えあぐねているというのが実は実情だったりするというふうに聞いてはおります。

ハッシャダイ×スクール・トゥ・ワーク公開イベント第1弾「高卒人材の就職に関する有識者トークセッション」(その6)

2019年4月24日に開催された株式会社ハッシャダイと当団体のコラボイベント「高卒人材の就職に関する有識者トークセッション」の様子をレポートとしてまとめました。

今回のイベントでは、官公庁、学校の現場、ビジネスや非営利セクター等、各界の若手キーパーソンによるパネルディスカッションを通じ、もはや避けては通れない日本社会の大きな課題である「高卒就職」について議論を深めました。「高卒就職」について、公開の場で多面的に議論される機会は極めて稀。来られなかった方にもイベントレポートとしてシェアさせていただきます。なお、発言者名については敬称を省略して表記しております。

前回 ハッシャダイ×スクール・トゥ・ワーク公開イベント第1弾「高卒人材の就職に関する有識者トークセッション」(その5)

勝山
僕がずっと言っているのは、「第3の選択肢」を作っていきたいということなんです。今って、18歳での進路選択は就職か進学の2択しかないじゃないですか。日本の若者は一回就職してから大学に入り、もう一度学び直すみたいなことってやらないじゃないですか。2%ぐらいしかそういったことをやっていないと言われていて、世界的に見てもかなり低い数字と言われています。そういった中で、18歳での学力みたいなものっていうのが、大学進学に影響するというのはおかしいと思うんですよね。

僕自身もそうなんですけど、今になって大学に通いたいなと思っています。新しく学び直したいなという思いがすごく強いです。この間ですが、ヤンキーインターンの生徒でも就職ではなく慶應義塾大学に受かった子がいるんですよ。高校を卒業して一回働いてみて、そこで何かまた学んでみたいなと思ったら大学へ進学して、大学でスキルを身に付けて、違うキャリアというのがあり得るというのも全然アリだと思います。日本でもそのような慣習が出来上がっていったら、若者たちの中で、もっと学ぶことに対する楽しさや学ぶことに対しての意欲が増えるんじゃないかなと思っています。

今日も「ヤンキー母校へ帰る」の舞台になった高校へ行ってきて、めっちゃヤンキーな子が一杯いたんです。その子たちに伝えたのは、日本の若者たちって世界的に見ても自己肯定感がめちゃめちゃ低いと言われていて、日本の若者は現状の満足度よりも未来に対しての期待度の方が低いというデータが出ているんですよね。

これは世界的に見ても日本の若者だけと言われていて、もっと未来に対してワクワクしようぜという話をしてきました。皆は何でそんなに未来に対して希望を持っていないのかと問うと、大体が受験のために勉強しているとか、外的要因で学校に通っているという子がかなり多いなと思っていて、もっと自分がやりたいこととか、自分が格好いいと思うものに対して、どんどん一歩踏み出して行動しようと言いました。じゃあその時に、こういった学びが必要なんだとか、こういったことを勉強しなあかんってなった時に、真剣に学ぶと思うんですよ。

いつでも学び直せるようなリカレント教育とかが今騒がれているんであれば、若者たちがいつでも学び直せるような環境というのを作っていくのが一番重要じゃないかなと思います。

古屋
今のお話を聞いて「平均的日本人像」という言葉が浮かびました。各国と比べて見てみるとどういう「像」かと言うと、仕事のエンゲージメント・レベルが一番高い人間を指すレベル5って、日本人の中には3%しかいないんです。アメリカでは30%います。アメリカでは仕事に燃えている人が30%いるんだけど、日本人は3%しかいない。世界の中でぶっちぎりで低いんですよ。だから日本も、仕事に熱意を燃やしている人はほとんどいないんです。超レアキャラなんですよ。

一方で、ファクトとしてもう一つ、日本人の能力の高さなんですよね。これは、5年ぐらい前に、OECDがPIAACって言う調査を社会人向けに実はやっているんですよ、日本ってOECD加盟国の中でぶっちぎりで全科目1位なんですよね。20歳から65歳までの成人男女にテストさせているんですけれど、日本人は平均点が全教科1位なんですよ。僕がそれを見て思ったのは、要するに日本人って、「やる気はないけれど能力はある」。これたぶん最強ですよ。やる気ださせるだけで力を発揮するわけですから。実はポテンシャル民族なんですよね。日本というのはポテンシャルの高い人ばかり住んでいる島なんです。だけどやる気が無くて、満員電車とかで皆目が死んでいるみたいな。これはあまりにも悲しすぎませんか。そんな話をちょっと今思いました。

新井
教員という目線で考えると、埼玉県だと浦和高校っていうところが凄いというふうによく言われるんですよね。何でだと思いますか?

参加者男性

偏差値が高いから。

新井
そういうことですね。東大輩出全国1位の公立高校です。じゃあ「何でそれが偉いんですか」というのを定時制高校で働いてる自分は感じています。東大行ったら幸せかと言うとそんなこともなくて。ただ幸せって何なのかなってことを考えなきゃいけないと思っています。

僕も一応、群馬県の一番手の県立高校に通って、MARCHの大学入って、文学部で歴史を勉強していたんですが、周りがみんな就活しなくて、部活の皆が就活していたからその流れで就活して、なんとなく大企業に入った方が良いのかなと思い、カッコイイから営業やりたいって感じで就職してみたけど、本当にやりたいことじゃないと思い辞めました。なので、本当にやりたいことを追いかけて、やりたいような環境にして行けたら良いのかな。それは、たぶん大人もそういうふうに向かっていかないといけないのかなと思います。

鈴木
先ほど自己肯定感の話が出ましたね。国立教育政策研究所というところで調べたのですが、子供たちの、世の中や学業に対するモチベーションを何年かかけて調べているのですね。そうすると、とりあえずその自己肯定感というのは先進加盟国の中でも最低ランクだったりという状況があるんです。ただ、その中でも少し希望があるのは、そういう今の子たちほど、承認欲求と言われるような、認められたいとか褒められたいという欲求が高い。その中でも役に立ちたいという項目が相当高いんですよね。たぶんOECDの平均より上なのかなというぐらいの数字が出ているのを聞いたことがあります。

じゃあ世の中に出た時、その「役に立ちたい」という気持ちが搾取されていないかどうかというところだと思うんですね。役に立ちたいというのがイコール就職という時代なのもどうなのかなと思います。いろいろな価値観や選択肢がこれだけある世の中ですから、果たして就職だけなのかというところもあると思います。

逆に、世の中がそういう気持ちに応えられるような、新しい産業だったり就職形態というものだったりを用意してくれる社会があれば良いなというふうに思っています。

実は私は、ベンチャー支援をやっていたところがありまして、社会としても、様々な価値を受け止められるような職種を用意できれば良いのかなというふうに思っております。

ちょっと蛇足になるんですけれども、30年、40年近く初等中等教育に携わっている者から見ますと、今の子供たちというのは、相当良い子たちが育っていると思います。戦後生まれの昭和世代から言わせてもらうと、物足りないとか、活力が無いと言う方が結構多いんですが、ルールや道徳というのをきちんと理解できて、論理付けた思考を持てる子たちが育ってきている。これはもう、学校教育の賜物じゃないかなというふうに思っているんですね。

犯罪も少なくなっています。そういう意味では、教育全体で人は育てられたのだから、じゃあ社会に出た時、社会がそこで育てるということは、新しい変化を生み出せるんじゃないかなというふうに思っております。もう少し旧態依然とした受け入れというものをブレイクスルーすることができないかなと、学校サイドや教育サイドの人間からするとそれが希望かなと思っております。

米山
新しい時代にということで、ポイントはやっぱり、多様性をどう受け入れるかみたいな話だと思うんですよね。何でこれがまず必要かというと、私も今担当している中に、働き方改革とかもあるわけですが、話としては結構似ているなと思っています。いろんな解釈がある世界ではあるんですが、働き方改革や労働時間、これ以上働かないようにしましょうというところでいろいろあります。

例えば、高度プロフェッショナル制度の導入です。本質的には、昔は、やっぱり働いている時間と成果がかなりリンクする世界だったので、真面目にやれば、もちろん良い人と悪い人がいても、生産性の差というのも1.5倍とか2倍ぐらいの差でした。しかし、どんどん世の中変わってきて、そのような職種だけじゃなく、いろんなクリエイティブな職種が増えてきて、サービス業を中心に、時間では生産性は測れませんとなった。同じ1時間働いて1を生み出す人と100を生み出す人がいます、みたいな世界が出てきています。それでもなお、時間というものをベースとした規制の部分というのがまだまだ残ってくると思うんです。そういうところなんかも、高卒就職の問題とリンクしていると思っています。この話のポイントは、要するにその能力の測り方というのが、昔は、その真面目さとかというのが、社会にとって結構重要な要素だったわけなんですよね。だけど今って、それ以外の部分も含めて、いろんな評価軸があります。活躍するポイントがあります。本当に評価軸はいろいろ出てきているというところを、どう受容していくかというのがかなり重要なことかなと思っています。

高卒の話で「一人一社制」みたいな話なんかもやや苦しいと思います。これもマッチングのパーセンテージがとても成功していることを前提にしています。やっぱり学校ごとの評価がベースになってきていて、じゃあ、学校では活躍していないけど外で活躍できる人を、どう評価していくかというところで、課題は出てくると思います。それを先生の努力で拾っているというのが現状だと思います。これをどう広めていくかとか、あるいは、どう支援していくかみたいな話は必ず出てくると思います。そういう意味での在り方というのは必ず考えていかなきゃいけないと思っています。

もう一つあるのが、受け入れる側の企業の話ですよね。企業の話で思うのが、「何で大卒と高卒に給料差があるんですか」とか、あるいは「採用要件で大卒以上だとかを設けるところがあるのか」と言うと、これはもうぶっちゃけて言うと、やっぱり企業側も自信が無いと思うんですよね。

つまり、「この人の能力はこれである」というのに自信が無くて、ある意味言い訳に使えるわけですよね。自分の経験から言うと、私も就職活動をしていて、ある大手銀行に内定をいただいたんですが、結局辞退したんです。その時に言われたのが3、4人しか採らないわけだけど、「君が辞退したらその枠一人減っちゃうよ」という。まさにそういう採用の仕方で、もうある意味言い訳ですよね。

そういうのが横行しているというか、実際かなり行われています。なぜかというと、面接でどこまで見極められているかというのは、定量化もできないですし、自信も持てていないというのが現状じゃないかと思います。

実際これは、人事の人からは、面接の時と入った後の活躍度は、特に定型的じゃないフリーな面接と、入った後の活躍度っていうのは相関がありませんと言われています。やっぱり就業体験とかの方がよほど相関性あります。やっぱりそういうのを進めていくというところも含めて、企業側もちゃんと評価するというか、それができれば高卒の方も関係無く活躍できるっていう幅で、正に多様性が広がっていくことに繋がると思います。

まさに今、HR Techとかって多少バズっているワードになっています。そういう採用支援のサービスが非常に出てきていますが、こういうのも含めて企業側を変えていくというのは我々としては非常に重要なミッションだと思っています。我々側のジレンマとしては、そういう人材の施策みたいなものに力を入れている企業と、株価の影響みたいなのは調査しようかなと思っています。いろんな採用とか任用とか評価とかも含めてですが、そういうことに力を入れている部分、なかなか会社の中だとあまり評価されない部門というか、所詮バックオフィスだみたいなところを、どうやって光を当てていくかみたいなことは、我々としても考えていきたいと思いますし、企業さんとしても変わっていただかなきゃいけないというとこなんじゃないでしょうか。