執筆者 @schooltowork | 6月 16, 2020 | ニュース, メディア掲載
この度、学生及び早活人材[1]に対するキャリア教育事業等を行う一般社団法人スクール・トゥ・ワーク(所在地:東京都千代田区、代表理事:古屋 星斗)は、2020年6月16日付教育新聞に、高校生の就職活動の事実上のルールである「1人1社制」について、当団体の代表理事である古屋のコメントが掲載されましたので、お知らせいたします。
<画像の引用及び記事の一部引用>

高校生の就職活動が、大きく変わろうとしている。文科・厚労両省の高等学校就職問題検討会議ワーキングチームは今年2月、生徒が学校推薦を受け、企業を1社しか応募できない代わりに、ほぼ確実に内定を得られる「1人1社制」の慣行を見直すべきだとする報告書を取りまとめた。高校生の就職活動や高校のキャリア教育は、どう変わっていくべきなのか。また、新型コロナウイルスによる経済状況の悪化は、高校生の就職にどのような影響を与えるのか。学校と仕事の接続を支援している「スクール・トゥ・ワーク」の古屋星斗代表理事に聞いた。
[1] 非大卒人材とも言われ、主に中学校卒、高等学校卒、専門学校卒、高等専門学校卒、短期大学卒や大学中退などの人材のこと
執筆者 @schooltowork | 5月 1, 2020 | ブログ, メッセージ
新型コロナウイルスによって緊急事態宣言が出る中、学校や企業にも大きな影響が出ています。そんな中で「9月入学制」についての議論なども出てきています。今回は、私たちスクール・トゥ・ワークが活動してきた、高校卒就職の観点から見た新型コロナウイルスの影響について、浮かび上がってきている問題点を整理し、問題提起をしたいと思います。

1.学校・生徒における懸念点
(1)進路指導の時間の減少
高校三年生の一学期は、進路調書等を提出して貰い、進路面談を行う就職活動の助走期間です。現在の休校措置により、この時間が大きく削られつつあります。また、高校卒就職は国によって申し合わせられているスケジュール(本年2月に策定)に基づいて進むために、7月に企業の求人票が見られるようになり、9月16日の採用選考開始に向け、一学期後半に本格化します。7月に向けて、こうした貴重な時間がなくなっているのです。
(2)夏休みの職場見学が実施困難に
通常、7月に求人票が出た会社について、夏休み期間中に1社程度職場見学を行うことが一般的ですが、本年は休校措置の影響で夏休み期間が縮減されることが想定されており、職場見学の機会も縮減する懸念があります。高校卒就職者にとって、この職場見学は実際の仕事の現場を見ることができるほぼ唯一の貴重な機会であるため、その悪影響は大きいです。大学卒の就職において、インターンシップや先輩社員との対話の機会が完全になくなる、と例えれば深刻度を理解していただきやすいでしょうか。

2.企業側の懸念点
(1)求人票を「6月」に提出することの困難
大きな景況感の変化に伴い、企業の採用計画は大きな見直しを迫られています。新卒採用は景気変動の影響を比較的受けにくいと言われていますが、特に高校卒就職者のメインの就職先である中小企業においては、影響がないとはとても言えません。緊急事態宣言が明けているかどうかすらわからない6月の段階で、申し合わせのスケジュールでは求人票をハローワークに提出する必要がありますが、企業が新高卒採用をするかどうかの判断がそのタイミングで可能でしょうか。また、そのための事務的手続きを行う余力があるでしょうか。
(2)ハローワークの「確認事務」の停滞懸念
目下、企業からの雇用調整助成金の相談や、雇用情勢不安定化による相談業務などによって各地のハローワークは極めて電話が繋がりにくい状況となっており、著しい業務過多の状態にあると推測できます。こうした業務量が溢れかえる状態で、高校卒の求人票受理・確認事務が6月に生じますが、適切な内容確認を適切なスピードで実施できるのかについても、懸念が残ります。
3.懸念点に対しての具体的な提案
こうした懸念のため、休校が長引いた状況で従来通りの申し合わせのスケジュールによる高校卒就職活動が行われれば、学校はほぼ対応できず、企業の体制も6月までに整わず、同時に生徒の準備も不十分となり、10月以降もたくさんの高校生が就職活動を続けているという光景が予想されます。
上記のような懸念点は、おおむね「新型コロナウイルスの影響による休校によって、一学期から準備し、6月・7月に本格化する高校卒就職スケジュールが圧迫されている」ことが原因だと言えます。
解決するためには、申し合わせられているスケジュールについて、『数か月単位の後ろ倒しを行う』ことが最も現実的な選択です。つまり、例えば休校が6月1日に解除されるのであれば、選考開始を1か月後ろ倒しすれば(つまり10月16日選考解禁として、6月から進路相談、求人票受理を7月に、8・9月に求人票確認・職場見学等を行うことができるようにする)、学校における進路相談の時間、職場見学、そして企業側の体制について十分な見通しを持って行うことが可能になります。

4.「9月入学」問題と高校卒就職
さらに現在、「9月入学」も議論されていますが、もし9月入学となった場合に最も影響を受けるのは、上記で示した通り就職スケジュールが既に決まってしまっている就職予定の高校3年生です。ほとんど就職の支援を受けられない状態で9月16日の選考解禁を迎えることとなり、差し迫ったスケジュールの中で就職を希望する生徒たちへの特別な対処なしには、到底現実的な提案ではありません。9月入学の議論の前提として、こうした高校生への直接的な支援策の検討を行うことは政策意思決定として必須の留意点だと言えます。
しかし、9月入学については「大学受験との関係は・・・」とか「留学者が・・・」といった議論はありますが、高校卒就職との関係に触れた論は見当たらず、年間17万人もの高校生が就職し、20代の社会人の20%を占める高校卒就職者に対する社会的関心は不当に低い状況が続いています。まさに『社会の忘れ去られた部分』(アメリカで1990年代に出された高校卒就職者に対する報告書のタイトルは『社会の忘れ去られた半分』でした)となっています。
新型コロナウイルスと高校卒就職について、目前に迫った大きな問題に対処することは喫緊の課題ですが、これと並んで高校卒で社会へ出ていく若者たちを大学卒と同じ未来を担う若者として応援する土壌を作っていくことも重要な課題であると痛感しています。

(一部の写真出典:写真AC)
古屋 星斗(ふるや しょうと)
1986年生まれ。大学院修了後、経済産業省に入省。産業人材政策、未来投資戦略策定等に携わる。2018年にスクール・トゥ・ワークを創設。『早活人材』を中心とした若者のキャリアを支援するとともに、リクルートワークス研究所において次世代のキャリア形成を研究する。
執筆者 @schooltowork | 4月 6, 2020 | ニュース, メディア掲載
この度、学生及び早活人材[1]に対するキャリア教育事業等を行う一般社団法人スクール・トゥ・ワーク(所在地:東京都千代田区、代表理事:古屋 星斗)は、2020年4月6日付毎日新聞(URL:https://mainichi.jp/articles/20200406/ddm/013/100/040000c)に、当団体が、高卒や専門学校卒などが「非大卒」とネガティブに呼ばれることに対して、新名称「早活人材」を提唱していることについて掲載されましたので、お知らせいたします。なお、当団体の顧問である吉川 徹(大阪大学教授)のコメントも掲載されております。
<記事の引用>
「早活人材」と呼んで
文部科学省の学校基本調査によると、2019年3月卒業の高校生の進路は、大学や専門学校への進学が7割を超え、就職は17%。人手不足で高卒の採用熱は高まっているが、高卒や専門学校卒などは「非大卒」とネガティブに呼ばれることもあるため、若者のキャリア形成に関する事業を手がける一般社団法人スクール・トゥ・ワーク(東京都)は「早活人材」という新名称を提唱している。
大阪大大学院人間科学研究科の吉川徹教授(社会階層論)は「大卒層を中心にした社会構造の中、非大卒の採用選考や就職の仕組みを一朝一夕に変えるのは難しい」と指摘する。
[1] 非大卒人材とも言われ、主に中学校卒、高等学校卒、専門学校卒、高等専門学校卒、短期大学卒や大学中退などの人材のこと
執筆者 @schooltowork | 4月 3, 2020 | ブログ, メッセージ
『早活人材』を知っていますか?
これまで「非大卒」と呼ばれていた高校卒就職者を中心とした社会人たちを
◎ 早く職場で活躍している
◎ 早く社会で活動している
◎ 早く就活をした
など、「早く社会に出た」という“事実”に焦点を当てた言葉です。
私たちスクール・トゥ・ワークは、これまで「大卒」が理想であるという価値観のもと、「大卒ではない」=「非大卒」と言われていた『早活人材』が、もっとわくわく活躍できるようになるために、どのような社会であるべきかを考え、一歩一歩取り組んでいます。
『早活人材』は若手社会人のおよそ半数を占めています。
しかし、例えば半数のうちの半数(全体の25%)を占める高校就職について、社会はどれほど関心を持っているでしょうか。
大学生の就職活動については、スケジュールも、ルール変更も、ひとつひとつが大きく報じられ、行政・教育・メディア・民間企業まで様々な人が議論に参加しています。
しかし、高校生がどのように就職しているのかについて、メディアで取り上げられることはほとんどありません。
私たちは、18歳人口が今後15年で20%近くも激減する日本で、忘れられた若年層である『早活人材』が本気で活躍することが、社会を面白くするためのカギになると思っています。
そんな『早活人材』が本気で活躍する世の中は、たぶんこのような社会です。
◎ 高校を出て就職して、仕事の中で「これを本気で勉強してみたい」と感じた人が、奨学金や助成金を使って、大学や大学院に進学していく
◎ 高校でインターンシップに行った会社にそのまま就職し、同時にオンライン大学で学ぶ“10代にしてパラレルキャリア”を形成する若者が多数派となる
◎ 『早活人材』と同年代の大学生が、互いの長所と短所を理解し尊重し合って、シナジーを発揮する
◎ 高校1年生の時から、「職業」や「偏差値」だけではなく、「自分の人生・キャリアについて向き合う時間」が授業として設けられる
◎ そして、ひとりひとりの若者が“大人から押し付けられる”のではなく、“大人から最大限のサポートを受けて”納得感をもってキャリアを選択していく
「非大卒人材」から『早活人材』へ。
私たちは『早活人材』にこうした意味を込めています。しかし、これから起こっていく変化こそが『早活人材』の真の意味を創っていくことになるでしょう。そして彼らの力は、日本の未来にとって欠かせない大きなものになるはずです。
皆さんが描く社会の未来図にも、『早活人材』を加えてみてください。きっと、その未来図に、ちょっとだけ笑顔が増えるのではないでしょうか。
古屋 星斗・森川 剛
古屋 星斗(ふるや しょうと)
1986年生まれ。大学院修了後、経済産業省に入省。産業人材政策、未来投資戦略策定等に携わる。2018年にスクール・トゥ・ワークを創設。『早活人材』を中心とした若者のキャリアを支援するとともに、リクルートワークス研究所において次世代のキャリア形成を研究する。
森川 剛(もりかわ ごう)
1994年生まれ。高校卒業後にお笑い芸人を経て現在は20代のキャリア支援を行う就職エージェントでキャリアアドバイザーをするとともに、一般社団法人スクール・トゥ・ワークで活動している『早活人材』。
執筆者 @schooltowork | 3月 9, 2020 | ブログ, 活動報告
2020年3月5日東京・内幸町のTKP新橋カンファレンスセンターにおいて「緊急開催!変わる!高校就職研究会」を開催しました。今回の研究会では、コロナウイルス対策により、一般入場を中止し、オンライン配信による中継を行いました。なお、オンライン配信の模様については以下のアーカイブからご覧いただけます。
1.Facebook
その1 https://bit.ly/2wEmhgO
その2 https://bit.ly/2wEeeRj
2.Twitter
その1 https://bit.ly/38CTeaB
その2 https://bit.ly/2Iuxbsf
その3 https://bit.ly/2ItkY75
冒頭で、スクール・トゥ・ワーク代表古屋星斗より、高校就職問題検討会議ワーキングチーム報告書についてのポイント解説がありました。

具体的な変化のポイント5つやいくつかの懸念点について話があり、特に「自身で学校推薦企業以外の企業に応募をした場合、学校が応募時に推薦企業に対して他の企業に応募している旨を通知する」ルールについてはその後のコメントなどでも生徒に対する著しい不利益を懸念する共感の声が上がっていました。
次に、有識者パネルディスカッションが行われました。まず、発議として株式会社アッテミー代表の吉田優子さんより、感想共有や論点提示が行われました。特に印象に残ったのが「今回の報告書の内容では、先生の負担は減らないのではないか」という指摘でした。高校生の就職を外部から支えているアッテミーさんならではの感想となりました。
有識者としては、株式会社ジンジブ代表取締役佐々木満秀さんと公立高校教員の新井晋太郎先生が登壇されました。

佐々木社長からは、民間サービスが切磋琢磨することで本当に高校生にとって必要な仕組みがこの社会に生まれてくる、という今回の報告書で触れられている学校推薦と自由応募の組み合わせが浸透していくことの意義についてお話がありました。佐々木社長はその分野の最前線で実践をなさっていることもあり、心に残る発言となりました。
新井先生のキャリア教育の実践の話、特に「選択の道を具体的に見せていくことで、生徒のやる気スイッチを押す」という話には共感が集まっていました。キャリア教育の実施によって、学業にも良い影響があったそうです。
最後に「早活人材が考える高校就職改革会議」が行われました。3人の早活人材、高校卒で就職した若手社会人が登壇し、当事者の目線から、高校就職がどうなっていくと良いかを議論しました。

富山県出身、学校推薦で富山の大企業に就職したあと辞職して今はITベンチャーで働く竹田さんからは、「これからの変わっていかざるをえない高校生にとって、自分がモデルになれることもたくさんあると思うので、自分の経験を還元していきたい」という話がありました。
ジンジブで働く好永さんは、この報告書を読んで「感動した」と言います。「高校卒で就職する際には、こんなに自分たちが求められているとは思わなかった。社会から見捨てられた存在なのかもと思った。でも今日のこのイベントで一生懸命話をしている人たちを見て、感動した」と、自分の体験から率直ですが、エネルギーのある言葉は聞いているすべての人の胸に火を灯したことでしょう。

スクール・トゥ・ワークの一員でもあり、キャリアコンサルタントとして最前線で働く森川さんからは大きな「構想」のお話が。「日本にいるキャリアコンサルタントが、かつての自分のような高校生の就職のサポートをしていくことができるプラットフォームを作りたい」。終了後、この話を聞いた方から声がかかり、早速企画ミーティングが開催されたようです。
スクール・トゥ・ワークでは、新しい時代に、早活人材をはじめとするすべての若者が、自分の力で自分の人生を決めていくことができる社会を目指して、引き続き活動を進めてまいります。