執筆者 @schooltowork | 7月 19, 2019 | ブログ, 活動報告
2019年6月6日(木)埼玉県立上尾高校において特別授業を行ってきました。当日の様子をレポートしていきたいと思います。
前回 【授業レポート】2019年6月6日埼玉県立上尾高校 前編

3.「職業人インタビュー」
「質問に答えるコーナー」のあとは、4つのグループに別れてより深く生徒たちと対話をする「職業人インタビュー」の時間となりました。
講師の工藤さんのグループでは、「社会に出てみてギャップはありましたか?」などの質問がやりとりされていました。
「もっと世の中はうまくいくと思っていた。やりたいと思っていたことが、全てうまくいくわけではなかった。考えが甘かったなと思ったことは多かった。」と工藤さんの回答。工藤さんは生徒1人1人と向き合うため、グループ内全員の名前を丁寧にメモしていました。
今度は逆に工藤さんから「普段の仕事やアルバイトは何をしているの?」と聞くと、新聞配達、介護職、ドーナツ屋さんの店員、ダイレクトメールのポスティング、組み立て作業・バイクの改造など、多種多様な答えが飛び交いました。
すでに様々な仕事に触れている生徒たちが「学歴」について気にしていることを見て「自身が大学を卒業していないことに対して最初の数年はコンプレックスを拭えずに苦しみましたが、今はそれが全く関係なく接してくれる職場の仲間とも出会うことができました。今では“ラベリング”をしていたのは自分の思い込みだったという側面もあるんじゃないかと感じています。」と工藤さんは率直に生徒に想いを伝えます。
また、高校を卒業していない人への待遇や差別に関して、生徒たちからは「割りに合わないなということや、給与などの数字も、理不尽だと思うことも多いです。」、「大卒の人だけが得をしている社会に納得がいかない。」や「17~19歳まではそう思っていたけど、自分は今20歳を超えたが、今は開き直っています。」など、工藤さんと同じように率直に様々な考えを打ち明けていました。
更に一歩踏み込んで、「もっとこんな世の中になった方が良いことは?」という工藤さんの質問に対しては、生徒のなかで熱く議論が交わされ、「非正規の採用者に対する企業の育成の対応などが変わってほしいと思っていました。」という意見も出ていました。
授業に参加していたある生徒は、いじめを受けたことをきっかけに中学から不登校になり、20歳半ばで定時制高校に通い高校卒業の資格を取りに来ていました。
「高校を卒業したらやりたいことはある?」という質問に対して、「特にないが、安定した職に就きたいという気持ちが一番です。夢よりもまず現実的なことが頭に浮かびます。」と答えていました。安定した職に就きたいけど、できるのだろうかという不安を元に、工藤さんやまわりの講師にたくさんの質問をしていました。
講師の森川さんのグループでは、「定時制にきて良かったことは?」と聞いてみると、その意外な答えに驚いたそうです。「普通の学校にいる時は自分はできないと思っていたけど、ここに来ると周りが真面目にやっていない人ばかりだから、自分に自信がついて良かった。」
森川さんは、生徒が「自分は周りより劣っている。」や「自分はなにもしていない。」という気持ちが強いと感じ、「何もしていないと自分で思ってしまっているだけで、立派に仕事を持ったり自分の道を持っているのに。」と振り返っていました。
講師の龍神さんには、生徒から「やってみたい趣味や仕事などはあるんですが、いろいろと考えすぎて1歩を踏み出せなくて悩んでます。」という質問があり、「いろいろと考えすぎての“いろいろ”とは例えばどういうのですか?」と龍神さんが聞いていました。
生徒からは「過去の失敗した時のことを考えてしまって前に進めないです。」とのこと。龍神さんは、「とりあえずやってみよう!しか言えません(笑)。」、「失敗が怖いんじゃなくて他人から変な目で見られるのが怖いのではないですか?だったらまずは、家で1人で試してみたり、他人と関わらなくて良いことから挑戦してみよう。」や「ネットが普及して行動する敷居が下がっていると思いますよ!」と自分の体験を引き合いに、具体的なアドバイスをしていました。

講師の竹田さんは、第1回の授業も参加して今回2回目の参加。今回は、「キャリアのRPG」というワークショップを使い、生徒さんと一緒にキャリアについて考えていました。自分ではない架空の若者がハッピーになれるようにキャラクターの設定を踏まえながらアドバイスを考えるという取組から自身のキャリアづくりのヒントを得るのがこのワークショップです。
今回、出てきたアイデアには、「弟が一人立ちするまで家族を支えつつ、同時進行でお金を貯める。100万円あれば海外行けそうだから、パチンコやめさせて月20万円貯金する。その後海外に留学にいく。」といったワークショップの製作者の想定していなかったような具体的なものが出ていました。
こうしたキャリアを考えるワークショップを用いて、更に生徒たちのキャリアづくりを応援していく取組も続けていきます。
多くの生徒が就職活動スタートの直前の時期である定時制の4年生。今回講師と生徒たちの間で行われた、たくさんの対話は、最初の一歩の不安の解消とともに、「最初の一歩」の後の職業人生におけるアドバイスやアイデアがたくさん含まれていました。講師との対話を通じて、生徒たちの中で自分で自分の人生を切り開いていこうという気持ちを生み出していく活動を続けていきたいと思います。
執筆者 @schooltowork | 7月 18, 2019 | ブログ, 活動報告
2019年6月6日(木)埼玉県立上尾高校において特別授業を行ってきました。当日の様子をレポートしていきたいと思います。

今回、行った4年生のクラスの当日の出席者は年齢もバックグラウンドも様々な23名の生徒たち。担任の先生いわく、全員出席は珍しいらしく、当団体からは3名の講師がお話をしました。
講師は、教育系の事業を行う一般社団法人Foraで働く21歳の工藤理世菜さん、元お笑い芸人という異色のキャリアを持ち高卒就職者では珍しいキャリアアドバイザーの職に就く森川剛さん、そして和歌山県でとび職をしていた経歴をもち、今はIT企業で営業職に就いている龍神尚樹さんです。
1.講師の自己紹介プレゼンテーション
工藤さんは一般社団法人Foraで、大学生や高校生向けに授業を行う仕事をしている21歳。経済的な事情により大学を1年生で中退した後に就職しています。
仕事で授業のファシリテーションなどを行っていることもあり、話は非常に慣れた様子でした。途中で「インドネシアのじゃんけん」というアクティビティを取り入れ「最初は変だなと思ってもやってみる。じゃんけんはこういうものという常識を一度取り外して考えてみると、実は社会には様々な当たり前があるんだよということをわかってほしい」と、わかりやすく生徒たちに伝えていきました。
そんな工藤さんの話の中で生徒が最も反応したキーワードがありました。それはいじめです。工藤さんが自身の体験の中で、中学校時代にいじめを受けた経験があることを話すと「俺も」と、一見するとそれまで深くは聞いていないように見えた教室の後ろにいた生徒たちからも声が漏れていました。
いじめを乗り越えて、今大学生に授業をしているような工藤さんのキャリアパスに、これからのキャリアづくりのヒントがあるのではないかと思わされる、心動く自己紹介でした。
二人目に自己紹介をしたのは、森川さん。高校生の就活は基本ハローワークの求人票から探すのが一般的ですが、森川さんは大学生のように「リクナビ」などの民間企業の求人媒体を使って就活をし、その後お笑い芸人になったという変わったキャリアパスを持っています。
芸能事務所に所属し、M-1グランプリに出た時の話など、普通の人からは聞けない話が自己紹介から出てきました。実は、上尾高校4年生のほとんどの生徒は、学校の他に何か仕事をしています。
中には、やりたいこと一本では安定した収入を得ることが難しく、定時制に通い、本業にできる就職先を探しているという生徒もいました。そんな中で、森川さんから出た「夢と安定した職業の話」は、生徒にとても興味深いトピックだったようです。
大手の芸能事務所のオーディションに1人で乗りこみ、その結果、思い切った行動が受け入れられて合格した例など、エネルギー溢れるキャリアづくりの話をしていただきました。「桃太郎」を例に挙げて、チャレンジしていくことの重要性を意外な観点で語るなど非常に興味深い内容でした。
三人目に自己紹介をしたのは龍神さんです。時間の都合もあり、シンプルなものとなりましたが、出身地が和歌山県であること、高校を中退してとび職になったこと。その後、一念発起して高卒認定試験に合格したことや、さらに一歩踏み出して、今は東京でIT企業の営業の仕事をしていることを紹介しました。
2.「質問に答えるコーナー」
「学歴のコンプレックスはありますか?」、「面接で困ったこと、こうしておけば良かったということはありますか?」、「仕事を辞めたいと思ったことはありますか?」といった本音の部分で気になりますが社会人に直接は聞きづらい質問から、「仕事を楽しんでいるとは思いますが、ストレスも溜まると思います。そのストレスをどうやって発散していますか?」、「自分の中でこれくらいまでなら頑張れるというキャパシティがあると思いますが、そのキャパシティを超えないように、どう自分の中で整理していますか?また、キャパシティをオーバーした時どうやって治しますか?」といった実践的な質問まで、講師が1つ1つ自分の経験を具体的に挙げながら、丁寧に回答していました。
執筆者 @schooltowork | 7月 17, 2019 | イベント, ニュース
「What’s スクール・トゥ・ワーク」と題して、当団体の活動概要と活動の背景(問題意識)をご説明するイベントを、毎月第2週目の火曜日と第4週目の火曜日(火曜日が休日・祝日の場合は水曜日開催、イレギュラー開催の場合はご連絡をいたします。)の夜19時30分から20時30分までに定期的に開催いたします。
当団体の活動内容に少しでも興味がある方は、ぜひとも一度遊びにいらしていただければと思います。
【開催概要】
開催日時:2019年7月23日(火)19時30分~20時30分
開催場所:一般社団法人スクール・トゥ・ワーク(株式会社スーツ内)
東京都千代田区九段南4丁目6番13号ニュー九段マンション301号
https://bit.ly/2QKmsMS
参 加 費:無料
※少人数での開催を想定しています(5名程度)
当日スケジュール
受付開始19:20~
1.スクール・トゥ・ワークの活動概要
2.スクール・トゥ・ワークの活動の背景(問題意識)
3.参加者とのディスカッション
執筆者 @schooltowork | 7月 12, 2019 | ブログ, 非大卒人材
今回は、高校卒業後IT人材の派遣会社に就職し、その後お笑い芸人として活動を行い、現在は株式会社UZUZでキャリアカウンセラーとして活躍されている森川剛さんにお話を伺いたいと思います。
前回 営業、芸人の経験を活かしキャリアカウンセラーへ 中編

木村:
バイトでキャリアカウンセラーってあまり聞いたことないですよね。だいぶ若い時だと思いますが、当時はいかがでしたか?
森川:
当時は21歳だったのでカウンセリングに来る人はほとんど年上でした。しかも、私自身がまともに就活をしたことが無かったので、最初は何を話していいか分からなかったです。
そこで1年くらい現場でもまれながら、キャリアカウンセリングを続けて正社員になりました。芸人の方は全く芽が出ずに賞レースに出ても1回戦、2回戦落ちというのがずっと続いているような状況でした。
そういう経緯もあり、私はキャリアについて考えるようにもなり、UZUZで正社員になりました。ですが、私もまだ、芸人は辞めたくなかったので「芸人 ✕ キャリアカウンセラー」で行こうと考えました。
面白い芸人は沢山いるけれど、芸人をやりながら、就活やキャリアについてアドバイスできる人はなかなかいないと思い、両立させることにしました。
私は人生の中で大事な軸が3つあると思っていて、1つ目は最初に物事を始めたファーストワン、2つ目はその世界、業界での1番、つまりはナンバーワン、そして3番目のオンリーワンですね。
常にオリジナルであること。それで、私はこの3つ目のオンリーワン軸で勝つしか生き残る道はないと考えていたんですね。この先ずっとM-1などの賞レースを出続けても多分、決勝には行けないと思ったんですよね。
だから、私はその1年間はネタはやらずに就活アドバイザー芸人として活動をしていこうと考えたんですよね。キャリアカウンセリングも、ただ単にバイトとしてお金を稼ぐ手段ではなくなり、どちらも仕事として本気で取り組めるようになりました。なので、キャリアカウンセリングの部分も正社員として活動するようになりました。
木村:
オンリーワンを目指して、掛けるの発想をするのはすごいですね。パラレルキャリアとかそういった考えに近いですよね。
森川:
はい。その時ちょうどパラレルキャリアや副業が世間で騒がれていたので、タイミング的にはちょうどよかったです。なので、ラジオや雑誌などから取材が来て、その時は仕事がかなり増えました。正直ノーマル芸人のままだったら辞めていましたね。
ただ、読みが甘くてそれでも売れなかった理由が、記者の方から就活に関するネタはあるのですか?と聞かれたときに用意をしていないし、一人だとそもそも何もできないというのがあったので、結果的には売れませんでした。
木村:
非常に面白いキャリアを歩まれていますね。ずっと話を聞いていて感じたことが、高校の就活の時から、かなり周りとは違ったキャリアを歩まれていると感じたのですが、ご自身でキャリアを振り返られていかがですか?
森川:
難しいですね。私は後先考えずに行動するタイプなので、就活アドバイザー芸人をやっていた時はライブがあったので、仕事を休ませてもらうことも多かったです。
でも、周りに認めてもらえるように必死にやりました。だから、UZUZで最初の年は絶対営業で1位になると決めて1位になりましたし、休むけど頑張るみたいな、結構ずる賢く頑張った部分も多かったですね。
あと実は、私の周り結構高卒、中卒が多いんですけど、やっぱりその進路って土方だったり、現場仕事が多いんですよね。私はそういう仕事には就きたくないっていうのがあって。
なぜかと言うと、高校生の時バイトで福島の復興支援で大型商業施設の建設現場に行ったんですよ。その時の業務が体力的にものすごくきつくて、その時にこれは10年後、20年後は、続けられないなっていうのが自分の中にあったんですよね。
常に自分のタイミングで興味があることをやったら今のキャリアになりました。UZUZ入ってからも一緒です。最近だと、広報をやりたいと手を上げて、今は同期の広報を手伝っています。
また、地方創生のPR動画なんかもYouTubeにアップしたりと、いろいろな活動をしていて、私の中で高卒だからできないみたいな概念は無く、あったら壊したいっていうのがあるんですよね。
「学歴が無いからこの仕事はできない」みたいなのはつまんないので、基本何でもやります。
木村:
ありがとうございます。すごい行動力と積極性ですね。最後に森川さんの今後の理想の社会人像やビジョンなどはありますか?
森川:
私は、やりたいことをやれている状態が理想の社会人像だと思います。光ファイバーの営業をしていた時もお金に価値観が寄っている人とかも見て、私は自分の好きなことを鉄人のようにやり続けるというのがありますね。
ビジョンとしては、UZUZの中で、非大卒の領域や既卒、第2新卒の領域のキャリア感を変えていきたいですね。私がこの仕事をしていて一番感じるのが「親ブロック」が多いということなんですよね。
現代のキャリア感が変わりつつある中、親が、前時代的なキャリア感を子供に押し付け、就職させようとする。これが結構問題だと感じています。そこを会社や個人は関係なく、テーマとしてやっていきたいですね。
木村:
親のキャリア形成に対するリテラシーを上げるということでしょうか?
森川:
そうですね、親が悪いとは言いませんが、明らかに選択肢を狭めている人たちが多いので、それを変えていきたいです。やはり、今一番ひどいのは高校生の領域だと私は感じています。
自分が身をもって経験しましたので。高校生の可能性を広げていきたいです。辞めた後の道に何があるのかを私と同じで、親と子供は知らないんですよね、だからもっと自由なキャリア形成をできるような社会にしていきたいです。
木村:
ありがとうございます。ご自分の体験を生かしキャリアカウンセラーとして活躍されているお話で非常に面白かったです。本日はありがとうございました!
森川剛さんインタビュー記事一覧
営業、芸人の経験を活かしキャリアカウンセラーへ 前編
営業、芸人の経験を活かしキャリアカウンセラーへ 中編
営業、芸人の経験を活かしキャリアカウンセラーへ 後編
執筆者 @schooltowork | 7月 11, 2019 | ニュース, 授業, 活動報告
この度、学生及び非大卒人材[1]に対するキャリア教育事業等を行う一般社団法人スクール・トゥ・ワーク(所在地:東京都千代田区、代表理事:古屋 星斗)は、2019年7月2日(火)19時20分から、埼玉県立川越工業高等学校(単位制による定時制)との企画で、キャリア教育授業を開催いたしました。

今回は、2年生と3年生の生徒が男子生徒・女子生徒のグループに分かれ、それぞれ講師の職業経験などの話を聞きました。
女子生徒は、キャリアを考えるきっかけを提供することをコンセプトとして、参加した生徒たちが少人数グループに分かれ、それぞれ講師に「仕事のインタビュー」を行う形式で実施しました。
男子生徒は、高校卒業後社会人経験を積んできた講師のこれまでのキャリア形成についてのトークセッションを行い、これからの職業生活について学ぶ機会となりました。
川越工業高校では今年の2月に続いて第2回目となる授業となりました。今回は45分間の短い時間での開催となりましたが、講師がそれぞれの社会人経験を活かした話を展開することができ、生徒の皆さんとインタラクティブにやり取りをしていたのが印象的でした。

今回の授業を通して、高校生一人ひとりがキャリアについて考えるきっかけになったかと思います。
今後も当団体では、当団体の掲げる「人生を変える授業、はじめます」という言葉にあるように、生徒たちにとって人生の記憶に長く残っていくような授業づくりを目指してまいります。

スクール・トゥ・ワークの提供するキャリア教育授業について。
「若者が若者に教える」をテーマとしたキャリア教育授業です。若手社会人として活躍している非大卒人材を講師として呼び、生徒と講師それぞれが双方向に行う授業を展開し、生徒にキャリアを考えるきっかけを提供することを目指しています。
[1]主に中学校卒、高等学校卒、専門学校卒、高等専門学校卒、短期大学卒や大学中退などの人材